露ガス大手が、西ヨーロッパへのガス輸出削減を示唆
ロシアのガスプロム社が、今後数日の間に西ヨーロッパへのガス輸出量を削減すると発表しました。
イルナー通信が23日水曜、報じたところによりますと、ガスプロム社は、ウクライナが自国を通過してモルドバに供給されるガスを搾取したとして、非難しました。
続けて、今月28日からウクライナを通過するガスを削減すると警告しました。
一方、ロシアからモルドバへ輸出されるガスは、ウクライナを通過して供給されるガスのごく一部に過ぎません。そのため、西ヨーロッパ向けの残りのガスについて輸出を断つと示唆することは、どのような形でも、冬を目前にした各エネルギー市場を混乱させることになります。
ガスプロム社のこの発表により、欧州ガス価格指標であるTTF価格は22日火曜、 8%上昇して1メガワットあたり124.5ユーロとなりました。
ロシアは今年8月、ヨーロッパへ伸びる天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の主要ラインを通じた西ヨーロッパへのガス輸出を停止しましたが、その際は1メガワットあたりのガス価格が300ユーロに上昇しました。
現在、ガス価格は例年の平均値に比べればまだ高いものの、ここ数か月間にヨーロッパ諸国がガスの備蓄を終えたことで、価格はやや低下しています。また、今秋が比較的暖かかったために暖房の使用開始が通常より遅くなったことも、その助けとなりました。
ガスプロム社は、ウクライナはモルドバに割り当てられていた約5200万立方メートルのガスを自国に溜め込んでいるとしていますが、アナリストらは、モルドバが冬になる前にロシアからの輸入ガスの一部をウクライナ国内で保管しているともしています。ウクライナ側は、ガスプロム社の主張を否定しています。