露外相、「西側の可能性は近未来に大きく低下」
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、「西側諸国は近い将来、世界経済を動かす可能性を逸する」との見方を示しました。
ラブロフ外相は26日月曜、ロシアのメディアの幹部らとの会談で、「近い将来、西側諸国の能力は低下し、世界経済を思い通りに動かす能力はきわめて深刻に低下する。これゆえ、望むと望まざるとにかかわらず、交渉を迫られることになる」と断言しています。
また、「歴史の流れを止めることはできない。多極化する世界を抑圧し、不可逆的な支配を確立しようとするアメリカの試みは間違いなく失敗するだろう」と語りました。
そして「米国とその同盟国が動かしてきた世界経済システムのツールやメカニズムは戦後、将来性があり、国益のバランスに応えるものと思われてきた。だが、このシステムから生じるリスクと脅威のすべてを今や事実上、全ての国が理解し始めた」と指摘しました。
ラブロフ外相はさらに、ロシアとして、事実上すべての関係を断絶した「西側の後を追いかけるつもりはない」と付け加えました。
そして、「協力関係を築ける相手は経済、社会、文化、スポーツなどの分野にいる。私たちは決して私たちを裏切ったことのない人たちを相手にするだろう。時として妥協点を見出すのが非常に難しかった相手も、いったん妥協点に達した後は誰一人として、決して相手を裏切ることはなかった。だが、西側との関係はこれとは全く真逆だ」と述べました。
なお、仏紙「ル・フィガロ」のコラムニストのルノー・ジラール氏も、ラブロフ外相と同様の見解を表しており、「世界がアメリカの見解に耳を傾けなくなってきた。特に、中国に接近するサウジアラビアの行動にはそれが顕著に表れている」と述べています。