米で、警察の暴力による犠牲者数が増加
複数の調査の結果、2022年にはアメリカでの警察の暴力による犠牲者数が激増しており、さらに黒人の割合が高いことが明らかになりました。
ある調査によりますと、米国の警察官は、2022 年に過去10年間で最多となる市民を殺害したということです。
ドイツの新聞「Passauer Neue Presse」によれば、米民間非営利団体「マッピング・ポリス・バイオレンス(Mapping Police Violence)」がアメリカでは2022年に記録した勤務中の警察官による人を殺害した件数は1,176 件、1日あたりでは3件以上にのぼりました。なお、2021 年のこの統計は 1145 件でした。
またこの統計によりますと、アメリカの総人口のうち黒人の占める割合はわずか 13%であるにも関わらず、殺害された人の 24%が黒人でした。
警察の残虐行為に反対する活動家は、「2013年に統計が開始されて以来、このような事件で警察官が起訴されたのは2%未満であり、彼らの殺害が法的な結果につながることはめったにない」と報告しています。
米紙ワシントンポストも2015年以降、警察の暴力に関する調査を行っています。この調査で計上されているのは銃器による死亡報告のみですが、2022年には1,090 人と記録されており、統計を始めてから最多の人数となりました。
2019年に米ニュージャージー州立大学のうちの1つ・ラトガーズ大学が行った調査では、平均して米国の黒人男性1,000 人に1 人が警察官によって殺害されていることが判明しました。
全米科学アカデミー紀要に掲載された研究によりますと、米国における非白人の主要な死因の1つは警察の残虐行為となっています。