1月 31, 2023 20:13 Asia/Tokyo

イギリス首都ロンドンの首相官邸前に、同国軍に関連した化学ガス流出事件の犠牲者らが集まり抗議しました。

ロンドン郊外で9年前、シアン化水素ガスの流出により一家が被害を受けるという事件が起きました。

この事件で、自宅にいた7歳の少年・Zane Gbangbolaちゃんはガスを吸い込んだことで死亡し、父親のKye Gbangbolaさんも、命は取り留めたもの麻痺の後遺症が残りました。

 

7歳の少年・Zane Gbangbolaちゃんの映像、父親のKye Gbangbolaさんと母親

 

国際通信イランプレスが31日火曜、報じたところによりますと、イギリス軍に関連したガス流出事件の犠牲者らは、自らの法的権利実現を求めて、ロンドンにある首相官邸の前に集まりました。

この事件の犠牲者のKye Gbangbolaさんは、今回集まった理由について、「私たちは、真実を求めて9年も努力をしているということを伝えるためにここに来た。この(解明が進んでいないという)事実は恥ずべきことだ」と説明しました。

続けて、シアン化水素ガスの流出による息子の死、および自身の体に残る麻痺について言及し、「当時の私たちの家の裏には、イギリス政府と陸軍以外に知られていない、古い化学廃棄物埋め立て場があった。2014年、これらの化学廃棄物から派生した毒性のあるシアン化水素ガスが家の中に流れ込み、その結果、私は子どもを失ったうえ、体に麻痺が残った」と語りました。

また、「シアン化水素ガスは、第二次世界大戦時にイギリス軍が敵兵殺害のために使用していた」と指摘しました。

この集会に集まった抗議者らは、11万7000人が署名した請願書をスナク首相の執務する官邸に提出しました。

この請願書の署名者たちはイギリス政府に対して、自国民にこのような化学ガスについて真実を明かすよう求めています。

専門家によれば、青酸ガスとも呼ばれるシアン化水素ガスは高い毒性を持ち、吸引すれば数分で死に至るということです。

 


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