米刑務所で衛生危機、過密状態によりトコジラミ大発生
(last modified Mon, 17 Apr 2023 09:17:22 GMT )
4月 17, 2023 18:17 Asia/Tokyo
  • 米刑務所
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アメリカで、受刑者の収容方法と所内での危機的な衛生状態がメディアと世論の議論の焦点となっています。

米CNNによりますと、米ジョージア州フルトン郡の保安官は、郡の刑務所で発生した「感染症の流行」に対応するため、受刑者600人あまりを別の郡に移すなどの対策を発表しました。

フェイスブックに今月14日掲載された発表によりますと、今回の対策が打ち出されたのは、昨年9月に同刑務所で服役していた男性受刑者が死亡したことを受けて行った「予備的捜査」の結果を受けてのものです。

イルナー通信によりますと、死亡したラショーン・トンプソン元受刑者の遺族の弁護士は、同受刑者が刑務所の不衛生な環境と虫刺されの合併症のために死亡したと訴えています。

当時35歳だったトンプソン受刑者は、逮捕から3か月後の2022年9月13 日に、土と昆虫があふれ老朽化した独房で死んでいるところを発見されました。

トンプソン受刑者は軽微な暴行罪に問われて2022年から拘束され、心の健康問題を患っていたため同刑務所の精神科棟に収監されていました。

アメリカの新聞ワシントン・ポストは、独房内が非常に汚れていたため、職員が「銃」を所持し武装して入る必要があったと報じています。

ある報告によりますと、トンプソン受刑者の家族は彼の逮捕を知らず、彼の死を知らされたときに初めてこの事実を知らされました。

また今月13日に記者会見した際には刑事事件としての捜査を求め、同刑務所の閉鎖を訴えていました。

フルトン郡保安官事務所は声明を発表し、今月14日には同刑務所で起きたトコジラミやシラミといった害虫の繁殖に対応するため、50万ドル(約6700万円)の緊急拠出を約束しています。

さらに、流行を抑える目的で安全対策手順を改訂するとともに、過密状態を解消するため受刑者600人以上を別の郡に移すと説明しました。

今回の発表にあたり、保安官事務所はまずトンプソン元受刑者の遺族に哀悼の意を表し、同元受刑者が死亡した経緯に関する「本格捜査」を開始したと述べています。

メディアでのこのニュースの発表は、米国のイェール法学校が昨年 9 月に国内の刑務所の状況に関する報告を発表してから7か月以上も後のことです。このことは、米国の人権主張に反して、同国では投獄された人々の場合、国連の最低基準でさえも守られていないことを示しています。

この報告書は政府の統計を論拠とし、現在アメリカでは約5万人の受刑者が独房に監禁されており、この種の監禁は国連法によれば拷問と見なされていると述べています。

米イェール大学法科大学院の報告によれば、アメリカでは6,000人以上の受刑者が完全に隔離されており、そのうち1,000人近くが10年間、こうした状態に置かれています。

 


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