イランにおける受刑者数千人の釈放とテロリスト3人の死刑判決をめぐるニュース
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イランにおける受刑者数千人の釈放とテロリスト3人の死刑判決をめぐるニュース
イラン司法府長官と同府最高評議会メンバーらのテヘラン州訪問にあわせ、1000人以上の刑事事件関連の受刑者の釈放の準備が進められました。
【ParsTodayイラン】イラン司法府のモフセニーエジェイー長官が受刑者の抱える問題への調査・対処を強調したことに従い、慈善・福祉団体や受刑者支援NGO、受刑者支援協会、寄付協会の支援を受けて、1000人超の受刑者を釈放する準備が整いました。また、この他にもテヘラン州で服役中の受刑者7000人以上が休暇を与えられました。
イラン北東部ホラーサーン・ラザヴィー州の革命防衛隊受刑者釈放本部のジャヴァード・ユーソフアリーザーデ書記によると、同州で過失犯罪の受刑者ら42人が、イラン民兵組織バスィージ週間に因み、慈善団体の尽力により釈放されました。
また、中部ゴム州中央検察庁のガリーブ検事も、「囚人との対面式の面会において、60人の囚人の釈放が合意された」と明らかにしました。
イランでは今年9月19日、イスラムの預言者一門でシーア派6代目イマーム・サーデグの生誕記念日に因み、最高指導者ハーメネイー師が、法廷で有罪判決を受けた約3000人を恩赦または減刑対象とするというイラン司法府長官の要請を承認しました。
過失的犯罪受刑者の釈放に向けた市民・慈善団体の活動
先月28日、イラン北西部・西アーザルバーイジャーン州のナーセル・アタバーティー司法局長は、「過失的犯罪による処罰が必要な受刑者の釈放を求める州民の運動の中で、当州の慈善団体の尽力により113人の受刑者に法的特権の恩恵が適用され、82人が釈放された」と語りました。
また、先月25日には南東部ケルマーン州の受刑者支援・調査NGO代表事務所のムーサヴィー・カヴァーム主任が、「市民有志の働きかけにより、当州では過去8カ月間で過失的犯罪による受刑者238人が釈放された」と明らかにしています。
さらに、イラン受刑者支援・調査NGOの一般参加勧誘担当のジャラーリー副代表も、今年14日に出した同団体の30年間にわたる活動報告書の中で「(30年間で)イラン全土で17万人以上の過失的犯罪による受刑者が釈放され、温かい家族の元に帰された」としました。
イスラム法に基づく犯罪者の裁判
もっとも、イランでは受刑者全員が恩赦や減刑の対象となるわけではなく、犯罪者はイスラム法に従って裁かれます。
つい最近では、20年間で200人以上の成人女性と未成年女子を強姦した犯罪者が西部ハメダーン市で、公衆の面前で絞首刑に処せられました。この犯罪者は、婚姻や交友関係、薬物提供などを口実に一部の人々を力ずくで欺いていました。
さらに別の事件としては、イラン司法省のアスガル・ジャハーンギール報道官が、2020年にテロにより殉教したイランの核科学者の一人、ファフリーザーデ氏の暗殺のために機材を提供した工作員らが死刑判決を受けたことを明らかにしました。
ジャハーンギール報道官によると、イラン治安部隊が実施した国内のイスラエルスパイ摘発作戦で、北西部・西アーザルバーイジャーン州で8人が身元特定、逮捕され、そのうち3人がイスラエル政権のためのスパイ行為に関与したとして起訴されました。これらの人物は、アルコールの密輸を装ってファフリーザーデ氏暗殺に使うための機材を移送し、一審で死刑判決を受けており、現在は控訴審の最中です。
テロリストを政治犯と喧伝する西側メディア
イランにおける犯罪者の裁判は常に、西側メディアの主要なニュースの話題となっています。これらの敵対的なメディアは、イランで多数の犯罪者が恩赦を受けていることには触れずに、イランにおける死刑判決を強調することでイランに非難の矛先を向けようとしているのです。
さらにこれらのメディアは視聴者を欺くために、イランのテロリストを政治犯だと報じています。その例として「女性、生命、自由」というスローガンで有名になった過去2年間の一連の騒乱では、多数のテロリストがイランに武器を持ち込んで未成年の少年少女を殺害しており、その中で騙された人々の中にはテロリストに追従した者もいました。
もっとも、2022年9月に始まったこれらの騒乱の終結後、最高指導者ハーメネイー師は2023年2月に、殺人を犯さなかった被告人および有罪判決者に対する恩赦と大幅な減刑に同意しました。
イラン司法府のラヒーミー次官によりますと、この時のハーメネイー師の命令により、8万9000人以上の受刑者が恩赦を受けたということです。