May 06, 2023 19:53 Asia/Tokyo

先だって崩御した故エリザベス2世英女王の長男、ウィンザー家のチャールズ3世が6日土曜に新英国王として戴冠します。

 チャールズ3世は、母親たる故エリザベス女王死後、2022年9月から正式に国王に即位しましたが、長年の伝統にそって戴冠式を数か月先に延期していました。

英国のの廃止を求める英国市民が増加していることから、 チャールズ3世の戴冠式で王制反対派が強い抗議の意を示すことが予測されています。共和派グループの指導者であるグラハム・スミス氏は「英首都ロンドンで6日土曜、チャールズ 3 世の戴冠式の実施と同時に、数千人もの王制反対派が、新国王の車列の沿道に加えて国内の他都市でも、デモを行うだろう」と表明しました。 共和党派らは、チャールズ3世の車列が通る沿道で「あなたは私の王ではない!我々はあなたを選んでいない」と書かれたプラカードを掲げることになっています。 

英テレビ局スカイニュースは、今回の戴冠式の費用を2億5,000 万ポンド、つまり 3 億1,400万ドルと計上しています。

英共和派のスミス氏は「国民が生活費高騰の危機に直面している今、国王の戴冠式は完全に不要だ」と語っています。 

英国民の多くは、家族に十分な食物を確保するために慈善団体やフードバンクに頼っている中で、このような式典に莫大な費用をかけることは低所得者にとって不快であると考えています。実際、英国のインフレ率は過去40年間で最高レベルに達しており、食品、エネルギー、家賃の価格はすべて記録を更新しているとともに、英中央銀行によれば、同国は景気後退期に突入しています。過去数ヶ月間で、多数の公職関係者が現在の状況に抗議し、公務を停止し路上でデモを行っています。 

チャールズ3世は、昨年エリザベス2世が96歳で亡くなった後、イギリスの王位を継承しました。エリザベス女王の在位期間は70年と214日間にも及びました。重要なことは、チャールズ3世がイギリス国内各都市でのあらゆる式典や訪問で批判や侮辱を受け、卵を投げつけられる事態に直面したことです。もっとも、抗議者の多くは逮捕されました。英王室に反対する人々は、21世紀において国民が英国の最高位を決定する上で直接または間接的に何の役割も持たないこと、およびしかるべき能力や適性を考慮せずに国王や女王の息子であるという理由だけで、一国の主あるいは統治者になることを受け入れていないのです。 

英国で実施された世論調査の結果によれば、英国民のうち58%が統治は選挙で選ばれるべきだと考えており、また51%は、戴冠式の費用は納税者からの税金でまかなわれるべきではないと考えています。

前出のスミス氏は、「戴冠式は費用のかかるパントマイムでしかなく、生活費の危機に苦しんでいる数百万人もの人々に平手打ちを食らわせたに等しい」とコメントしました。 

英国民の間で王室制度に対する支持率が低下している一方で、英王室は近年大きな問題に直面し、さまざまな道徳的および財政的腐敗に絡んでいます。その上、英国の女王と皇太子はこの国の情勢に干渉しないと主張しているにもかかわらず、現実はこうした表明とは逆になっています。英紙ガーディアンは、2021年半ばの独占レポートで、1000以上の法律が、英国議会での承認前に、エリザベス女王またはその息子チャールズ皇太子によって検討されたと報じました。これらの法律は、イギリスのEU離脱、司法、社会保障、年金、人種関係、食糧政策から、ホバークラフトや一般車両の駐車料金に関する曖昧な規則まで、幅広い問題に至る内容となっています。

 


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