国連が、パリ五輪でのヒジャブ着用禁止を批判
9月 27, 2023 20:40 Asia/Tokyo
国連自由権規約人権委員会は、フランス政府が来年のパリ五輪で出場選手のヒジャブ着用を禁止する決定をしたことについて批判しました。
フランスに在住するイスラム教徒の女性たちは、同国の定めたヒジャブ着用を禁止する法律やそれを身につけた人々への厳格な対応に常に見舞われてきました。
ファールス通信によりますと、国連自由権規約人権委員会は声明の中で、フランスにおけるヒジャブ着用禁止を非難し、「フランスの、イスラム教徒の女性が学校や公共の場所でヒジャブを着用することを禁止する行為は、国際人権規約に違反している」と表明しました。
今回、フランスのウデアカステラ・スポーツ相が、来年のパリ五輪の出場選手に対して試合でのヒジャブ着用を禁止する考えを示したことを受け、国連自由権規約人権委員会のマリア・フルタド報道官は、「フランスをはじめとした『女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約』の批准国は、両性に優劣をつける考えに基づいた文化的・社会的定型モデルを是正するため、あらゆる措置を講ずる義務を負っている」と述べました。
フランスでは2011年に、公共の場所でのヒジャブ着用を禁止する法案が成立し、その後、デンマークやオーストリア、オランダ、ブルガリアなども同様の法案を可決しました。
フランスは欧州で最多のムスリム人口を抱えていますが、それにもかかわらず、国内で彼らに対する制限措置が広く課されています。
欧州諸国ではここ数年、イスラム嫌悪にもとづいた政策が勢いを増しています。