6月 22, 2024 18:49 Asia/Tokyo
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    フランスによるイスラム教徒のスポーツ選手排斥

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルやヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)などは、フランス政府によるイスラム教徒女性のヒジャーブ着用禁止を、スポーツ選手に影響を及ぼすとして批判しました。

【ParsToday国際】イランのミーザーン通信によりますと、フランス政府はアスリートを差別しているとして非難されています。また同国は、この夏に予定されているパリ五輪での選手のヒジャーブ着用を禁止するとしています。

英紙インディペンデントは、「国際オリンピック委員会(IOC)は昨年9月に、パリ五輪への出場選手は選手村でヒジャーブを着用できると表明していた」と報じていました。にもかかわらず、この禁止措置は五輪開催国に対しても行使される見通しです。HRWのグローバル・イニシアチブ担当ディレクターであるミンキー・ワーデン氏は「アスリートらに対するフランスによるヒジャーブ着用禁止は国連憲章への違反である」と語りました。

ワーデン氏はまた、「フランスでのヒジャーブ着用禁止が多くのスポーツに及ぼす影響は、オリンピック開催国の多くの成人女性や少女が差別・排除され、さらには自分たちが愛し、得意とするスポーツでのプレー、トレーニング、競技参加を妨害されているということである」と述べました。

その上で、「こうした禁止措置は、スポーツを1つの人権だとするオリンピック憲章、そしてIOCの新たな人権枠組みの両方に違反するものだ。これらのフランス人女性アスリートは自国でのスポーツ競技から排除された形となっており、彼らに対する解決策はない」としました。

そして、「ヒジャーブ着用禁止により、一部のフランス人選手は出国を余儀なくされた。また、一部には海外移住を考えている人もいる」と訴えました。

フランスのバスケットボール選手ヘレン・バーさんは、「パリ五輪でのヒジャーブ着用禁止は、ヒジャーブを着用するイスラム教徒のアスリートをターゲットにしたもので、性別と宗教に基づく歴然とした差別である」とコメントしました。

そして、「これは五輪憲章の価値観と規定に対する明白な違反であると同時に、我々の基本的権利と自由の侵害でもある。この禁止措置は我々の思想、良心、宗教の自由、そしてスポーツ参加の権利を侵害している」「この禁止令はジェンダー・人種面の固定観念を強め、またすでにフランス社会の一部となっているイスラム教徒への憎悪を煽るものだ」としました。

2017年にヒジャーブ着用によるプレーを解禁した国際バスケットボール連盟(FIBA)の決定を主導した元選手のべルキス・アブドゥルカディルさんは、「この問題に私は涙せずにはいられない。なぜ、我々はまだこの状況を目にしなければならないのか? なぜ私がイスラム教徒の女性であり、バスケットボールがうまいと説明せねばならないのか?」と疑問を提示しました。

2022年1月、フランス上院はスポーツ選手の試合中のヒジャーブ着用を禁止する法案を可決しました。

 

フランスでのイスラム排斥法

2001年9月11日の米同時多発テロ事件後、イスラム排斥主義の高まりを背景に、イスラム教徒の服装は規制されるべきであるという意見が世論、メディア、フランスの政治家階級に流通するようになりました。このような考えは全ての宗教的シンボルを禁止するものとして、2004年にフランスで可決されましたが、実際にはイスラム教のシンボルや象徴をターゲットとしたものでした。

フランスはこのようにして過去20年間にわたり、法律によりイスラム教徒の成人女性や未成年の少女をイスラムの象徴から遠ざけるという、容赦ないイスラム排斥志向への扉を開いてきました。

2023年、マクロン政権は同国内の公立学校におけるアバヤ(イスラム教徒の女性が着用する丈の長い服)の着用禁止を承認しました。この禁止令により、各学校側にとって利己的な裁定を下す大きな下地ができることになりました。

学校以外でも、2011年に女性が公共の場で頭や顔を覆うことは違法となりました。さらに2016年には、各地方自治体も女性が公共の場やスポーツで体を覆う服の着用の禁止に踏み切りました。

英ガーディアン紙は、フランスにおけるヒジャーブ着用禁止に関する記事で「すべてのイスラム教徒へのメッセージは明らかである。それは(西洋文化に)吸収されるか、もしくは公共の場から遠ざかるかということだ。自らこの国を離れるイスラム教徒が増えているのは驚くに値しない」と報じました。

 


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