フランス軍の駐留継続にチャドが「ノー!」の返答
(last modified Mon, 02 Dec 2024 08:20:26 GMT )
12月 02, 2024 17:20 Asia/Tokyo
  • フランス軍のチャド駐留の終結
    フランス軍のチャド駐留の終結

中央アフリカ・チャド政府はフランスとの軍事協力協定の満了を発表し、フランス軍にチャドからの撤退を求めました。

【ParsToday国際】チャドのクラマラー(Abderaman Koulamallah)外相はSNS上の声明において、

「我が国はフランス共和国と締結した国防関連協力協定を破棄する決定を世界各国に発表する」

としています。

この声明ではまた、チャドの軍事駐留の終了は「歴史的転換点」と解釈され、「実際、チャド共和国は独立から66年後、完全な国家主権を宣言するとともに、国家の優先事項に基づく戦略的パートナーシップを再定義する時が到来している」とされています。ちなみに、チャドに先立ってマリ、ニジェール、ガボン、ブルキナファソを含む他のいくつかのアフリカ諸国が、自国でのフランス軍駐留を正式に終結させており、西アフリカ・セネガルもまた、自国内のフランス軍基地が近く撤収されると発表しました。

過去数十年間、アルジェリアなどのアフリカ諸国でフランス植民地主義に対する反植民地主義および自由主義運動が発生したことから、フランスはアフリカ諸国を離れ、こうした国々を承認することとなりました。しかし、フランスは近年、新植民地主義という形での新たなアプローチにより、テロとの戦いやこれらの国々の和平と安全の確立への支援といった様々な口実のもとに再びこれらの諸国に進出していました。これに関して、近年では数百名のフランス兵がテロ集団との戦いを名目でマリ、ニジェール、チャド、その他のアフリカ諸国に駐留していました。しかしその一方で、アフリカ諸国事実上、フランス兵の機能には満足していませんでした。

アフリカ諸国から見て、フランス軍の行動は実際には過激派組織の支援及び、アフリカ駐留フランス軍基地の維持が目的でした。駐マリ仏軍基地の周辺で集団墓地などの証拠が発見されたことに加え、特にサハラ砂漠の周辺の乾燥地域をはじめとしたアフリカ大陸の多くの諸国でテロ攻撃が増加したことも、これまで以上にフランスの行動に対するアフリカ諸国の怒りの増大を招きました。こうした状況により、ここ数年において多くのアフリカ諸国で反フランス的なアプローチが再び強化されました。こうしたアプローチは、アフリカ諸国での一連のクーデターの勃発とともに深刻化しました。

人々がクーデター首謀者を支持し、統治者の腐敗や彼らのフランスへの服従に反対する抗議集会を開催したことは事実上、アフリカ大陸でのフランス新植民地主義の終焉、そしてアフリカ諸国における政治・経済面での新時代の幕開けを告げるものでした。最近、フランスのジャン=ノエル・バロ外相は、アフリカにおけるフランスの植民地時代はとうの昔に終結し、アフリカでは反フランスの波が始まっていることを正式に認めていました。

実際、アフリカ諸国は特にここ数十年、意識の高まりと政治的・社会的覚醒、そして国際体制の変化により政治的・軍事的介入を一切受け入れないだけでなく、いかなる口実であろうとも、アフリカにおけるフランス軍国主義の終結を要求しています。フランスと他のヨーロッパ諸国は新たな状況において軍事駐留の続行や、ニジェールのウラン鉱山のようなアフリカ諸国の天然・鉱物資源の略奪などは全くできないのみならず、相互尊重に基づく関係という新時代を受け入れることを余儀なくされています。クラマラー・チャド外相も強調したように、フランスは今、チャドが成長し成熟していることを考慮しなければならないのが現状です。

こうした状況は、フランスだけでなくアメリカにも当てはまります。これに先立ち、チャドは米国に対し、チャド駐留米軍事基地を閉鎖するよう要請しました。アメリカはこの要請を受けて措置を講じ、米軍を撤収しています。

こうした情勢変化は、アフリカ諸国がもはや植民地主義者の進出を受け入れず、国際舞台で積極的かつ躍動的な主体勢力となったことを示しています。多くのアフリカ諸国にある米仏の軍事基地の閉鎖は、こうした方向性への第一歩と考えられているのです。

 

 


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