イスラエル:西側メディアにおける反イラン報道とイラン恐怖症の震源地
(last modified Thu, 19 Dec 2024 11:32:12 GMT )
12月 19, 2024 20:32 Asia/Tokyo
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    イスラエル:西側メディアにおける反イラン報道とイラン恐怖症の震源地

西側メディアの報道内容をみると、反イラン的な世論を誘導すべく特定の言葉や概念が使用されていることが分かります。

【ParsToday西アジア】イランに関するメディアの報道や一般的な政治的風潮、特に西側メディアや西側諸国とつながりのある一部の地域メディアは、イスラエルの戦略の強い影響を受けています。この戦略は、アメリカの同調とともにイスラエルおよび同政権とつながりのあるこの巨大な西側メディアネットワークが主導しており、特定のターゲットに悪意ある印象操作を使うことで、イラン関連の事実を歪曲し、国際世論の反イラン感情をあおるように仕組まれています。

 

イスラエル:反イラン言説の震源地

イスラエルは対イラン敵対政策を立案する主要勢力の一つとして、メディアを世論形成の手段として利用しています。このアプローチは、以下の3つの主な目的に沿って分析できます。

1. 占領と不法行為から関心を逸らせる:国際的脅威としてのイランのイメージ形成により、イスラエルは自らの人権侵害、違法入植、パレスチナ領土の占領といった事実から世論の関心を逸らせようとしている

2. シオニズムに対する最大の障害としてのイランに対する国際世論の一致の促進:イスラエルは西側諸国とつながりのあるメディアを利用して、イラン恐怖症の概念を促進し、イランに対する外交・経済的圧力を強化している

3. 地域における自らの戦略的地位の強化:イランが地域の情勢不安の元凶であると吹き込むことで、イスラエルは自らを正当な勢力および、平和・安定の守護者を自任しようとしている

 

西側メディアネットワークとイスラエルの主張の再生産

西側メディアの多くはイスラエルやその支持勢力に近い機関とつながりがあり、特定の用語や概念を使って反イラン的な世論を形成しています。国際弁護士のレザー・ナスリー氏によりますと、この表現戦略の主軸は以下の通りです。

 

・意図的な語彙づくり

「政府」の代わりに「政権」を使用:この用語は、イランの統治体制の正当性を否定するために使われており、イスラエルと西側諸国はこの用語を使用して国際社会における正当な主体としてのイラン政府の地位の引き下げを狙っている。

「民族解放運動」ではなく「イラン代理勢力」を使用:こうした用語変更は、地域の抵抗組織の信用を傷つけることを目的としており、これらの組織に対するイランの支援を違法な介入・干渉だと主張する。

・抵抗組織を「テロリスト」「民兵」:イスラエルとつながりのある西側メディアはこうしたレッテルを使用して、占領行為や植民地主義との戦いにこれらの組織が役割を果たしている現実を軽視する。

地域的措置の解釈におけるダブルスタンダード:

近隣諸国への支援や外国介入勢力への抵抗などのイランの地域的行動は「拡張主義的介入」と吹聴される一方で、イスラエルやアメリカの地域協力は「団結」や「安定の支援」という名目で解釈される。

イランの核開発計画が「核の脅威」として提示される一方、国際的な監視の完全な埒外にあるイスラエルの核軍国主義は事実上メディアの視点から排除されている。

文化的・政治的な侮辱:

西側メディアは、イランの政治的指導者を「モッラー(聖職者)」「アーヤトッラー)」などと矮小化することでイランの政治的複雑さを無視し、その体制の正統性を毀損するためイランを単純な存在としてイメージづけようとしている。

 

イスラエルの戦略実現手段としてのメディア

残念ながら、西側メディアがイスラエルの言い分の代弁組織と化しているだけでなく、事実上そのソフトアームとして機能していることを、我々は認識する必要があります。これらのメディアはニュースを選択し、分析に偏向性を持たせ、偏ったレッテルを貼ることにより、世論をイスラエルに有利となる方向に誘導しているのです。

危機の源の歪曲:西側メディアは、イランを「情勢不安の元凶」としてクローズアップすることで、イスラエルによる占領行為や米国の軍事介入など、地域の危機の真の原因を無視している。

抵抗運動の違法扱い:イスラエルは西側メディアを利用して地域の抵抗組織を違法扱いし、占領に対するこれらの組織集団の正当な闘争をテロ呼ばわりしている。

 

結論:イスラエルのソフトパワー手段としてのメディア報道

西側メディアは、イスラエルとアメリカのソフトパワー戦略の一環として、反イラン概念・報道の形成に大きく関与しています。目的・意図のある擁護や概念を用いたこうした言説は、イランに関する事実を歪曲しているのみならず、イスラエルが自らの違法行為に対する世論の関心を逸らせることを可能にします。

こうした傾向に対処する必要な手段は、独立系および西側に従属しないメディアを見直し、その内容を報道することです。複雑な地域の現実を反映し、既存の歪みを批判することは、より公平な分析および、地域の危機の根源をより深く理解するための下地作りとなりえるのです。


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