米欧がウクライナ大統領めぐり舌戦:トランプ米大統領「ゼレンスキーは独裁者」/独首相「トランプ氏が過誤」
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米欧がウクライナ大統領めぐり舌戦を続行:トランプ米大統領「ゼレンスキーは独裁者」/独首相「トランプ氏が過誤」
トランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領を独裁者と評し、「彼は直ちに行動を起こした方がよい。さもなくば彼の国は何も残らないだろう」と語りました。
【ParsToday国際】トランプ大統領は自身が運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ゼレンスキー氏について「平凡な成功を収めたコメディアン」と酷評し、「ゼレンスキー氏は米に対し3500億ドルの出費、そして始まるべきではなかった、しかも絶対に勝てない戦争への参戦を促した」と記しました。
ゼレンスキー氏「トランプ氏はフェイクの中で暮らす」
トランプ氏が「開戦したのはウクライナ側だ」と語った翌日、ゼレンスキー氏はトランプ氏がフェイクを繰り返し拡散しているとして非難し、「トランプ氏はロシアの『フェイクバブル』に巻き込まれている」と主張しました。
ゼレンスキー大統領はトランプ大統領の主張に真っ向から対抗すると同時に、ウクライナ抜きでこの戦争終結の合意成立は不可能だという立場をあらためて表明しました。
国連はノーコメント
一方、ステファン・ドゥジャリク国連事務総長報道官は、米・ウクライナ両首脳の舌戦の激化を受けて、この問題についての言及を差し控えるとともに、国連としてウクライナ・ロシア戦争の終結に向けた交渉を求めていると述べました。ドゥジャリク報道官は、「国連事務総長は、トランプ氏がゼレンスキー氏を独裁者扱いし、彼が対ロシア戦争を始めたと非難することが、この戦争終結への努力に水を差すと考えているか?」という記者からの質疑に対し、「国連の事務総長と報道官は、世界各地の当局者による発言についての見解表明はできない」と語りました。
英首相「我々はゼレンスキー氏の味方」
ゼレンスキー大統領に対するトランプ米大統領の物議を醸す発言を受けて、スターマー首相を含む英国の政治家らはウクライナ大統領への支持を表明しました。英国首相府は、スターマー首相がゼレンスキー大統領との電話会談で、ゼレンスキー氏を独裁者呼ばわりしたトランプ大統領の口撃に対してゼレンスキー氏を擁護したと発表しました。
独首相「トランプ氏は誤っている」
ドイツのショルツ首相も「トランプ氏がゼレンスキー氏を独裁者呼ばわりするのは危険行為だ」と強調しました。また、「ゼレンスキー氏に独裁者のレッテルを貼るというトランプ氏の決めつけは誤りかつ危険である」と述べ、「ウクライナの憲法と選挙法の規定に従い、同国の大統領選挙は戦時中には実施されないことになっている」とし、「ゼレンスキー氏の民主的合法性を否定するのは誤りである」と強調しました。
仏大統領「ウクライナ問題で同盟国と団結」
フランスのマクロン大統領も、「我が国とその同盟国はウクライナ問題で一致しており、ロシア・ウクライナ間の戦争終結に関するあらゆる合意において、ウクライナの権利と欧州の安全保障上の懸念が考慮されなければならないと考えている」と表明しました。