エジプト人有識者らが批判「アラブ3カ国からトランプ大統領への贈り物に何のメリットがあるのか?」
(last modified Sat, 17 May 2025 09:43:46 GMT )
May 17, 2025 18:43 Asia/Tokyo
  • アラブ首長国連邦のムハンマド大統領がトランプ米大統領に29兆円の経済協力を提供
    アラブ首長国連邦のムハンマド大統領がトランプ米大統領に29兆円の経済協力を提供

複数のエジプト人有識者らがトランプ米大統領のアラブ3カ国訪問に言及し、同大統領が無償で金銭や贈り物、投資を受け、ガザ戦争の停止を求められなかったことを強く批判しました。

【ParsToday国際】エジプト・カイロ大学のヤマニ・アル・フーリ教授は16日金曜、トランプ大統領のアラブ3か国訪問、およびサウジアラビア、カタール、UAEアラブ首長国連邦の3カ国当局者からトランプ大統領に対する熱烈な歓迎ぶりと高価な贈り物に反応を示しました。

フーリ教授は、「歴史上、アメリカの統治者に数百万もの贈り物や数兆ドルもの供与をした国は、世界大戦中といえどもなかった」と語っています。

また、経済学者ハニ・タウフィク氏も、アラブ諸国の首脳らが先を争ってトランプ大統領を優遇し、厚遇と投資をめぐり競い合っていることに強い嫌悪感を表明し、シオニスト政権イスラエル権によるガザ攻撃を阻止するための行動が取られていないことを強く批判しました。

そして、アラブ諸国の統治者らに対し「今行われていることは犯罪であり、神の審判の前に歴史があなた方に責任を問うことになるだろう」として警告しています。

さらに、経済政治学部の元学部長アリア・アル・マフディ氏もアラブ諸国の統治者の行動を強く批判し、「アメリカとその大統領へのこれだけの金銭提供と贈り物は何の役に立つのか」として疑問を投げかけるとともに、「成功した指導者は国民という拠り所と彼らからの支持基盤に依拠し、国家統治成功の度合いに注目するものだ」と語りました。

そして元外交官ファウジ・アル・アシュマウィ氏も、アラブ諸国がイスラエルとの関係断絶や条約の破棄、対イスラエル支援国である米国に投資しないといった、権力の手段を行使していないことを強く批判し、この点をガザ地区での殺戮継続の原因だとみています。

加えて、アナリストのカマル・ハビブ氏はトランプ大統領のアラブ3か国訪問に触れ、これを統治者たちの追従と表現するとともに、「これは単に契約や経済貿易協力の問題ではなく、アメリカに対する明らかな追従だった」と述べました。

ハビブ氏はまた、トランプ大統領のアラブ3カ国訪問中の祝賀会やレセプション、高価な贈り物、メディアによる宣伝を指摘し、この3か国に対しガザ地区での戦争停止を要求しなかったことを強く非難しています。

最後にハビブ氏は「ガザは売り物ではなく、またいかなる圧政者や覇権主義者にとっての障害物となるべき場所ではないし、今後もそうなることはない」と結びました。

 

 


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