いつの日か歴史は私たちに問う;「これほどの抑圧に対してどこにいたのか?」
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ロシアと米国が北米アラスカで地政学的な駆け引きを展開し、世界の注目を集めている一方で、パレスチナ・ガザでは、スポットライトの当たらない静寂の中で、もう一つの、しかもはるかに深刻な光景が繰り広げられています。
(last modified 2025-08-19T03:02:02+00:00 )
8月 19, 2025 11:56 Asia/Tokyo
  • 食事提供・配給を待つパレスチナ人の子供
    食事提供・配給を待つパレスチナ人の子供

ロシアと米国が北米アラスカで地政学的な駆け引きを展開し、世界の注目を集めている一方で、パレスチナ・ガザでは、スポットライトの当たらない静寂の中で、もう一つの、しかもはるかに深刻な光景が繰り広げられています。

アルジェリアの新聞・エクスプレッション(L'Expression)は18日月曜付けの記事で、「ガザは封鎖、破壊、そして人道危機に見舞われているが、今のところ世界から深刻な注目を集めていない。欧州の指導部は自国の利益のみを考え、米露首脳会談を真剣に注視していた」と報じました。

【ParsToday国際】しかし、この会談は実際にはドイツにとっては軍備再建を継続する機会であり、フランスにとっては国内問題の隠れ蓑となっていました。アメリカの忠実な同盟国であるイギリスも、たとえアメリカの武器貿易商に漁夫の利をもたらす戦争の助長を意味しようとも、平常通りの役割を果たしました。こうした中で、これらの政策の代償を払わされるのは他でもない、ヨーロッパ諸国の市民ということになります。

はっきりしていることは、トランプ米大統領がノーベル平和賞受賞という長年の夢を叶えようとしていることです。もっともそれは、この賞にまだ意味があるのなら、ということです。実際、平和賞はガザの荒廃した路地裏、飢えた子どもの息苦しい息、標的となった病院の灰燼、そして1つの孤立した国民のくぐもった叫びの中にこそ、その価値を見出すべきものです

ガザでは、ジェノサイドがスローモーションで進行中です。経済的利益のために人間の尊厳が踏みにじられ、悲しみに暮れる母親の代わりにビジネスマンが歓迎される時には、平和などという概念はもはや意味を失うことになります。

どの国民にも占領や不公正、そして暴力に抵抗する権利があります。しかし、なぜパレスチナ人にはこの権利が与えられないのでしょうか?なぜ彼らの命は軽んじられねばならず、またガザの高齢者や女性、そして特に子どもたちがあたかも歴史の誤った側から生まれたかのように、権力者の沈黙の中で死んでいく理由はどこにあるのでしょうか?

ガザの救済とは一派閥や一国家に肩入れすることではなく、正義という概念を擁護し、子どもたちを守り、人間の尊厳を防衛し、抑圧に立ち向かうことを意味します。いかなる社会的立場にあろうとも、事実を見聞きし知りながら沈黙を守る人々は有責者として責任を追及されます。犯罪を前に沈黙することは事実上、犯罪の継続を承認する証であり、不正に対し目をつぶることは、その道を開くことになります。いつの日か、私たちは歴史から「この抑圧に直面してどこにいたのか」とを問いかけられることになり、その時私たちはもはや「知らなかった」では済まされなくなるでしょう。

 

 


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