米のアフガン・バグラム基地返還要求:トランプ氏の夢とタリバンの悪夢
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トランプ米大統領が最近、アフガニスタン・パルヴァーン州の戦略的なバグラム空軍基地の奪還に関する発言を提起したことから、アジアの中心にあるこの重要な地点が再び注目を集めています。
(last modified 2025-09-22T07:03:00+00:00 )
9月 22, 2025 15:25 Asia/Tokyo
  • 米のアフガン・バグラム基地返還要求:トランプ氏の夢とタリバンの悪夢
    米のアフガン・バグラム基地返還要求:トランプ氏の夢とタリバンの悪夢

トランプ米大統領が最近、アフガニスタン・パルヴァーン州の戦略的なバグラム空軍基地の奪還に関する発言を提起したことから、アジアの中心にあるこの重要な地点が再び注目を集めています。

この場所は、中国やロシアとの対立におけるアメリカの勝利の切り札となり得る一方、アフガンのタリバン現政権にとっては国家主権の侵害かつ、占領時代への回帰を意味することになります。

トランプ米大統領はタリバン内務省報道官も、バグラムの米国への引き渡しは「非現実的」かつ不可能だと述べた。中国の核施設からわずか1時間の距離にあるバグラム空軍基地への復帰という自らの計画を発表し、タリバンが基地を返還しなければ「醜悪な出来事に遭遇するだろう」と警告しました。

トランプ氏のこの発言がなされる前に、ザルメイ・ハリルザド元米国アフガン特使がバグラムを通じて米国とタリバンの対テロ協力の可能性を示唆していましたが、タリバン当局はこれに強く反発しました。タリバン政権のアミール・カーン・ムタキ外相代行は「アフガンは侵略行為を一切も受け入れることはなく、20年にわたる米軍駐留の失敗は、『再占領』が実現不可能な夢であることを示している」と語っています。

また、タリバン政権内務省報道官も「バグラム基地の米国への引き渡しは『非現実的』かつ不可能だ」と表明しました。

【ParsToday国際】イスナー通信によりますと、専門家らはこの問題に関するタリバン政権内の立場・足並みがそろっていないと見ています。タリバン政権当局者の一部が米​​国の再駐留を理想への裏切りと捉えている一方で、他の関係者はこれを「国際的な正当性を獲得し、財政援助を受ける機会」と捉えている模様です。

一方、タリバン政権のハムドラ・フィトラト副報道官は「2020年のカタール首都ドーハでの合意に基づき、米国はアフガンの領土保全や政治的独立に対して武力や脅迫という手段を用いないこと、またアフガンへの内政不干渉を約束した」と述べました。

タリバン側と第1次トランプ大統領の間で成立した2020年の合意に基づき、すべての外国軍は2021年までにアフガンから撤退しており、その後はタリバン勢力が暫定政府を樹立して同国を統治しています。

アフガン首都カーブル北部・バグラムにあるこの米軍基地は、2021年に米国が完全撤退するまでの20年間にわたるアフガン侵攻における最大の米軍基地であったとともに中国、イラン、中央アジア、さらにはロシアを監視する上でのアメリカの戦略的な重要拠点となっています。米国の観点から見て、バグラム空軍基地奪還を目指す主な目的の1つはアフガンにおける中国の影響力の阻止および、この地域における中国のプロジェクトを抑制することにあります。

しかし、アフガンの政治情勢と治安状況、そして過去の占領における苦い経験に注目すると、米軍のバグラム復帰の将来は不透明な状況にあります。
 

 


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