スポーツ分野での制裁がイスラエルの犯罪への対処に重要な手段である理由とは?
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パレスチナ国旗を掲げるスコットランド・セルティックFCのサポーターら
欧州各国政府や機関に対し、シオニスト政権イスラエルによるパレスチナ・ガザ市民への犯罪に対し断固たる対応を求める国際社会からの圧力が高まっていることを受け、UEFA欧州サッカー連盟は来週、イスラエルのサッカーチームをUEFAの国別対抗およびクラブ対抗の試合から排除することについて緊急会議を開く予定です。
英ロンドン・タイムズ紙は「UEFAは来週会合を開き、イスラエル代表の欧州国際大会への参加を認めるかどうかを決定する」と報じました。この報道によれば、UEFA執行委員会の過半数は、パレスチナ・ガザ地区におけるジェノサイドを理由に、イスラエル代表を欧州の国際大会から排除すべきだと考えているということです。
この問題に関する来週のUEFA会議の結果はさておき、侵略政権を罰する上でスポーツがどのような役割を果たすのか、そしてUEFAの大会からのイスラエル代表の排除がなぜ重要なのかという疑問が浮上してきます。
シオニスト政権によるガザ市民への犯罪に対するスポーツ界の反応に注目すると、世論がスポーツ競技をイスラエルの犯罪を非難する機会と捉えていることがわかります。この点に関して、先だってもスペインで開催された自転車ロードレースのブエルタ・ア・エスパーニャ2025では数千人がコース脇に集まり、イスラエルを非難するスローガンやプラカードを掲げ、当局の不作為ぶりに終止符を打つよう訴えました。またスペインでは、CAオサスナ、リオ・ボルケーノ、アスレティック・ビルバオといったサッカーチームのサポーターらがスタジアムでパレスチナ国旗を振り、イスラエルの犯罪に反対するスローガンを連呼しています。さらにはベルギー、スコットランド、ノルウェー、そしてアメリカ合衆国といった国々でも、スポーツ競技中に世論がガザ市民への支持とイスラエルに対する嫌悪感を表明しています。
さらに、他複数のスポーツ団体もシオニスト政権の犯罪に対する懸念とを表明し、それへの対応を「道義的責務」とさえ表現しています。イタリアでは、サッカー監督協会が会員全員の同意を得て、同国のサッカー連盟FIGCに書簡を送付し、UEFAとFIFA国際サッカー連盟にイスラエルの国際大会出場資格停止を正式に要請するよう求めました。同協会のレンツォ・ウリヴィエリ会長はこの行動を「道義的責務」だとし、人間的価値観とスポーツ的価値観が、抑圧に対する沈黙を許さないことを強調しています。またノルウェー・サッカー協会も、イスラエル代表との今後の試合の収益をすべてパレスチナ人被害者の支援に充てることを明らかにしました。
そのため、世界大会を含む様々な国のスポーツ競技の場は、シオニストが牛耳るイスラエル占領政権の犯罪に対して国際世論が反発する場と化しています。
最近、「UEFAがイスラエルのサッカーチームを欧州の大会から排除する決定を下した」との報道がなされました。この問題は来週のUEFA総会で議論される予定です。では、UEFAの対応と同様に、スポーツ界の反応がそれほど重要なのはなぜでしょうか?
まず第1に、イスラエルをスポーツ大会から排除するというUEFAの決定が、イスラエルへの圧力を強める可能性もあるということです。ロシア・ウクライナ戦争勃発後、欧州諸国やUEFA、FIFAを含む一部の国際スポーツ団体はこの戦争に反対し、ロシアへの圧力を強めるため、サッカーを含む様々な国際大会へのロシアの参加を禁止しました。この禁止措置は現在も続いています。さらに、最近クロアチアで開催されたレスリングワールドカップでは、ロシア人選手がロシア国旗を掲げロシア代表としての同大会への参加を禁止されました。
そしてもう一つの理由は、UEFAの行動が他の世界大会にも波及する可能性があること、さらにたとえ各機関がイスラエルへの対応を控えたとしても、国際世論からの圧力にさらされる可能性があるということです。
この点に関して、スペインの日刊スポーツ紙「マルカ」は、「イスラエル代表に対し予想されるUEFA主管大会への出場停止処分は必ずしもFIFAによる同様の措置の繰り返しを意味しないものの、FIFAは2026年サッカーW杯を前に大きな苦境立たされるだろう」と報じています。