トランプ氏の取引の罠に填まるシリア;ジャウラニ氏はホワイトハウスの賓客かつ危険な地域ゲーム
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米国はシリアにおいて取引的政策を踏襲し、同国のシャラア大統領(通称;ジャウラニ氏)を地域のパートナーとみなしています。これはシリア南部の重大な情勢変化やシオニスト政権イスラエルとの安全保障協定につながりうる一方、同時にシリア国内の不安定化のリスクも高める格好となっています。
(last modified 2025-11-25T10:32:38+00:00 )
11月 25, 2025 17:33 Asia/Tokyo
  • トランプ米大統領(右)とシリア政権指導者を自称するジャウラニ氏
    トランプ米大統領(右)とシリア政権指導者を自称するジャウラニ氏

米国はシリアにおいて取引的政策を踏襲し、同国のシャラア大統領(通称;ジャウラニ氏)を地域のパートナーとみなしています。これはシリア南部の重大な情勢変化やシオニスト政権イスラエルとの安全保障協定につながりうる一方、同時にシリア国内の不安定化のリスクも高める格好となっています。

ここへきて、シリアが再び世界の注目の焦点となっています。今、同国ではアメリカの決断および、シリア政府・大統領を自称するアブ・ムハンマド・アル・ジャウラニ氏の存在により、外国勢力がシリア国内危機を自国の利益のために利用していることが明らかになっています。ジャウラニ氏とドナルド・トランプ大統領の最近の会談、そして国際テロ因子リストからジャウラニ氏を削除しようとする工作は、地域が政治・戦略的に複雑であることを象徴するものです。これらの一連の出来事が発生したのは、シリア国民が戦争、経済危機、制裁の重圧にさらされ、同国の安全が深刻な脅威に瀕している中でのことです。

【ParsToday西アジア】この記事では、ここ数日のシリアに関する最も重要な出来事を総括していきます。

ジャウラニ氏:指名手配中のテロリストから一躍ホワイトハウスの賓客へ

数ヶ月前までテロ行為により指名手配されていた「アブ・ムハンマド・アル・ジャウラニ氏」は、今や打って変わってシャラア・シリア暫定大統領という正式な国賓してホワイトハウスに足を踏み入れています。米国は、ジャウラニ氏の名前を国際テロリスト一覧表から削除するために特別な努力を払いました。この異例の措置は、トランプ大統領が地域政治を利益を生む取引の場と見なしていることを裏付けるものです。ジャウラニ氏とアメリカ軍司令官の動画が公開されたことは、自称シリア政府のプロパガンダが国際舞台における自らの行動の合法化に目的を絞ったものであることの証拠だといえます。

利益を生むトランプ大統領の取引とジャウラニ氏への圧力行使

トランプ米国大統領はジャウラニ氏について、神経を要する多くの地域的な問題、特にシオニスト政権イスラエルとの関係正常化協定において信頼できるパートナーとみなしています。しかし、アメリカ議会が制裁解除に反対したため、複数の制約が生じています。こうした状況下で、トランプ大統領はロシアとの取引停止を条件に、自らの大統領権限を行使してシリアへの非軍事技術・製品の輸出規制を緩和しました。

シオニストに対するトランプ氏の甚大な強硬要求と国内への影響

米国にとって最も重要な事項は、シリア南部及びイスラエルの利益確保に関するものです。米国の安全保障計画文書は、シリア南部の地域を分割し、イスラエル政府に広範な支配権を与えています。シリア首都ダマスカス南部への米軍基地の設置と合意の監視により、米国・イスラエル間の対立が激化しています。有識者筋は、ジャウラニ氏との合意はいずれもシリア国内危機の悪化をまねき、宗派主義や過激派集団がシリア自称政府に反発しかねないと警告しています。

こうした情勢変化は、ジャウラニ氏とトランプ大統領の会談や最近の動向が、地域的な危機でも取引を中心に据えるというアメリカのアプローチの一例であることを物語っています。こうしたやり方においてはシリアの政治や安全保障、経済がもはや外国の利益のための道具となり、同国内の将来を深刻なリスクにさらすことになるのです。

 

 


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