解説;トランプ氏の空虚な脅迫とアメリカの国力の衰退
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ドナルド・トランプ米大統領は再び、他国に対する爆撃を示唆しました。イラン関連の協議に関与している上に、ホルモズ海峡の交通状況に関する動きにも関わっているオマーンに対してです。
(last modified 2026-08-19T07:56:35+00:00 )
8月 19, 2026 14:12 Asia/Tokyo
  • トランプ米大統領は、自ら始めた対イラン戦争で今や自縄自縛
    トランプ米大統領は、自ら始めた対イラン戦争で今や自縄自縛

ドナルド・トランプ米大統領は再び、他国に対する爆撃を示唆しました。イラン関連の協議に関与している上に、ホルモズ海峡の交通状況に関する動きにも関わっているオマーンに対してです。

トランプ氏は「オマーンが米国の行動を妨害すれば、激しい爆撃を受けるだろう」と表明しています。この脅迫は、米国の外交政策における普通の見解表明とは見なせませんが、脅迫の回数こそ増えているものの、脅迫と実行の間のギャップも拡大しているというパターンの一部だと言えます。したがって、オマーンがトランプ大統領の脅迫を真に受けていないとしても不思議ではありません。各国に対するトランプ政権の対応を見れば、脅迫と実行の間には大きな隔たりがあることが分かります。そして、このギャップは今やアメリカにとって戦略的な問題と化しています。

トランプ氏は今や、「先行き不透明」をアメリカの国力増強のための道具にしようとしています。しかし、明確な戦略を欠いた「先行き不透明」は、次第に「信頼性の欠如」へと変化していきます。同盟国はアメリカの次の決定が予測できず、ライバル国はどの脅威が実行可能で、どれが単なる政治的圧力のためのものかを見極め始めるのです。

米CNNは、この危機がイランを超えたものになると見ています。西アジアでオマーンが米国からの軍事的脅迫に直面している一方で、東アジアでは韓国がアメリカからの圧力にさらされています。トランプ大統領は、対イラン戦争に参加しない韓国を批判する一方で、米韓合同軍事演習に関しては北朝鮮の要求の一部に近い立場を取っており、この矛盾は、米国の同盟国に危険なメッセージを送ることになるとみられます。アメリカは同盟国に協力を期待しているものの、安全保障上の約束については矛盾したメッセージを発信しています。

こうした状況下で、トランプ氏はこれまで以上に同盟関係を金融契約のように捉える傾向にあります。つまり、同盟国は対価を支払い、アメリカが望む任務に参加しなければなりません。この見方により、同盟関係は長期的な戦略的資産からもはや短期的な取引へと転じることになります。

米シンクタンク・CFR外交問題評議会のリチャード・ハース(Richard Nathan Haass)名誉会長も、同様の傾向を警告しています。同会長は、「ホルモズ海峡は米国領」というトランプ大統領の主張を「愚鈍で破壊的」と評しました。米国は長年にわたり、この水路の国際性を強調しており、そのような主張はアメリカの長年の外交政策の慣習と矛盾しうるものです。

ハース氏はまた、アメリカの軍事力の一部を東アジアから西アジアへ移転させることを危険な動きと捉えており、「それは日本、韓国、オーストラリア、フィリピンの懸念を高めると同時に、中国と北朝鮮にとっての勢力拡大の機会を増やすことにもなる」と述べています。

この懸念は、単なる理論上の話ではありません。北朝鮮は核・ミサイル開発計画を継続しており、同国とロシア、中国との関係は深まっています。ロシアはトランプ大統領のウクライナ戦争終結計画を拒否し、また中国も米国との経済・戦略的競争において一歩も後退していません。

結果として、トランプ氏の外交政策の問題点は、単なる脅迫の多発だけではなく、その背後にある一貫した戦略の欠如にあります。トランプ氏は圧力行使により支持を得ようとしていますが、同盟国に過度の圧力をかければ、同盟国は米国から乖離する可能性があります。また、ライバル国からの度重なる脅迫も、繰り返されながらも行動が伴わなければ、抑止力としての効果を徐々に失うのことになります。

今日のアメリカは、必ずしも力としての手段が不足しているわけではなく、真の危機は、権力行使における信頼性の低下にあります。アメリカの約束を信用しない同盟国は代替手段を模索し、アメリカの躊躇を感じ取ったライバル国はより大胆になると見られます。

オマーンから韓国まで、共通する構図が形成されつつあります。トランプ大統領は世界にアメリカの力に怖気づくよう仕向けようとしていますが、脅迫を戦略の代替とする政策は裏目に出る可能性があります。

仮に世界が「アメリカは行動よりも脅迫ばかりしている」と結論づければ、アメリカにとっての代償は軍事作戦の失敗よりもはるかに大きくなると見られます。国際政治において、大国の真の権力衰退は、他国が大国の脅威を真剣に受け止めなくなった時に始まるのです。

 


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