核合意に対するアメリカの妨害の結果
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ヘイリー国連大使
アメリカのヘイリー国連大使が、再びイランに対する根拠のない主張を繰り返し、アメリカは核合意に反対していると強調しました。
ヘイリー国連大使は、アメリカのデューク大学でおこなわれた会合で、トランプ政権が核合意を脅かしていることを賞賛し、「我々は現在、核合意を修正するため、そしてイランの地域のテロ支援に対処するため、ヨーロッパ諸国と協力している」と語り、ヨーロッパ諸国は核合意を維持できるが、アメリカも制裁を復活させることができると述べました。
ヘイリー国連大使のこの発言は、EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表と、日本の河野外務大臣が6日金曜に電話会談を行い、すべての参加国の核合意の取り決め遵守と、その実施の必要性を強調した中で行われました。EUは核合意の消滅はすべての参加国にとって損害であり、誰も勝者にならないとしています。その他の参加国の立場も、アメリカのトランプ大統領の見解と大きくかけ離れています。ロシアと中国は核合意を見直そうとする動きに反対しています。
トランプ大統領は、今年1月、アメリカ議員とヨーロッパ政府に対して、5月12日の次の制裁停止延長の期限までに、「核合意の欠陥」と主張するものを修正するよう求め、それが実現しない場合、アメリカは核合意から離脱するとしました。
アメリカ民主党のクリス・マーフィー上院議員は、フォックスニュースでのイランに対するトランプ大統領の発言について、見解を表明し、次のように語りました。
「イランは現在、核合意を遵守しており、この合意の再協議の機会は存在しない」
イランは核合意を実施する中で、当初から信頼できる参加国でした。核合意の実施に関するIAEA国際原子力機関の10回にわたる報告は、このことを認めています。このような中でアメリカは一方的に核合意を混乱させることで、より大きな利益を得ようとしています。このため、トランプ大統領は、自身の立場を守るため、時間稼ぎを行い、おそらく核合意の他の参加国から特権を得ようとしています。
ヘイリー国連大使の発言は、アメリカがこの中で2つの問題に直面しているということを示しています。
一つ目の問題は、アメリカの非論理的な政策に対する合意や同調がなく、アメリカが国際社会で孤立していることです。2つ目の問題とは、アメリカが圧力行使や脅迫を惜しむことなく、敵対的な行動に出ている中、イランがこれらに高い能力で対応していることです。
国際問題の専門家、ホセイン・カーシャーニー氏は次のように語っています。
「アメリカが核合意から離脱した場合でも、この国は国連安保理決議と国際規約を守る責務がある。核合意は、実際、国連安保理決議2231のAとされており、これは国際規約に基づいた、この決議の分かちがたい一部である」
こうした中で、トランプ大統領は、この1年間で、国際規約の遵守に関して予想できないような行動を示しています。おそらく、核合意も、その例外ではないでしょう。