4月 02, 2016 20:16 Asia/Tokyo
  • 核安全保障サミットの傍らで提出されたIAEA事務局長の報告

国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国の代表者や首脳が、IAEA・国際原子力機関の天野事務局長とともに、アメリカ・ワシントンでの核安全保障サミットにおいて、イランと6カ国の核合意の実施の流れについて協議しました。

アミーンザーデ解説員

アメリカは過去30年間に渡り、イランにテロ支援や人権侵害の疑いをかけ、同国に対する1日金曜に行われたこの会議には、フランスのオランド大統領、イギリスのキャメロン首相、ドイツのフォン・デア・ライエン国防大臣、アメリカ駐在のキスリャク・ロシア大使、IAEAの天野事務局長、EUのトゥスク常任議長が参加しました。この協議は、天野事務局長の呼びかけにより、アメリカでの第4回核安全保障サミットの傍らで開催されています。

天野事務局長は、この会議に提出した声明の中で、「イランは現在、核の分野において世界で最も組織化された形での実態調査を受けている」と語りました。また、「双方は、イランとIAEAの正式の合意書に基づくイランの取り決めを超えた、透明化という措置についても合意した」と述べています。天野事務局長はさらに、「合意に達している監視措置は数年にわたり続けられる」としました。

アメリカのオバマ大統領はこの会議において、イランと6カ国の核合意を歴史に残る合意だとし、この合意がイランの核兵器の獲得を阻止することになったと語っています。また、「アメリカの努力は、核兵器の拡散防止と、核兵器のない世界の展望を広げることに集中している」と述べました。さらに、地域における情勢不安を招くイランの行動と称するものについても、「アメリカ政府は、イランのテロ支援や人権侵害、弾道ミサイル計画に関する制裁を行使する意向であり、これはアメリカの政策の一環である」としています。

オバマ大統領のこの発言は、イラン恐怖症政策を続行するアメリカの目的を明白に物語っています。アメリカの政治家は、核計画の本質への懸念を口実に、イランに対する圧制的な制裁を、地域の安定化やイランの核兵器獲得の阻止に向けた正当な措置だとしていますが、一方でアメリカはこうした主張を裏付ける証拠をまったく有していません。

イランのイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、核合意の成立とその実施に関する発表が行われた際、核協議においてアメリカが信用できないことに触れ、「合意の実施においては、相手側も監視され、核合意が予定通りの法的な軌道に載るようにすべきだ」と語りました。

包括的共同行動計画と称する核合意も、そのほかの政治的な合意と同様にチャンスと脅迫が抱き合わせになっていることに間違いはありません。ある視点から見れば、核合意の実施により、イランにとって経済、政治、さらには安全保障面でのチャンスが生まれたことは確かですが、脅迫は今なお続いています。

これに関するアメリカの政治家の発言とオバマ大統領の立場表明は、アメリカの敵対的なアプローチや行動に、変化はまったく生じていないことを示しています。今なお続くイランの進歩への妨害、イスラム体制への疑惑の提示、偽りのプロパガンダも、アメリカが追求している政策です。アメリカは、イランのミサイル防衛計画への懸念も提起しており、2週間前にはこれに関して複数のヨーロッパ諸国と共同での書簡を国連に提出して、イランのミサイル計画の調査を求めました。アメリカ財務省も、この問題を口実に複数の企業を対イラン制裁の対象リストに加えています。

現在も、アメリカはこうした主張による立場表明をもとに、イランへの敵対行為を継続しています。イランに対するアメリカの政府関係者の発言は、イラン恐怖症プロジェクトが依然として継続され、アメリカが核合意の成立後の状況を潜り抜けて、永久にダブルスタンダードな立場を保持しようとしていることを示しているのです。

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