イラン核合意 ロシア外相、「アメリカは現状の原因」
ロシアのラブロフ外相が、「核合意が現在のような憂うべき状況に陥っている原因は、アメリカの核合意内の約束不履行、および他の署名国にまでこのやり方の実行を求めたことにある」と語りました。
イルナー通信によりますと、ラブロフ外相は6日水曜、ギリシャのニコス・デンディアス外相と共同記者会見し、「ロシアは、核合意をめぐり生じた現状を強く懸念している。この懸念は、アメリカが核合意離脱という物議をかもす行動に出たときから浮上した」と述べています。
また、核合意をめぐりアメリカがヨーロッパに圧力をかけていることに触れ、「ヨーロッパ諸国はアメリカの圧力下で、核合意が現在の状況に陥ったことに関してイランに責任転嫁しようとしている」としました。
さらに、「アメリカは、自らの責務に違反し、国際法を公然と踏みにじったのみならず、脅迫や制裁により他国がこの合意の実施を渋っている」と語っています。
そして、「アメリカは、核合意によりイランのものとされているものを与えないよう他国に求める一方で、イランにも全く見返りなしの核合意実施を要求している」と述べました。
アメリカのトランプ大統領は昨年5月8日、アメリカを核合意から離脱させるとともに、史上最も厳しい制裁をイランに行使しています。
イランは、アメリカによる違法な核合意離脱、およびヨーロッパ側の約束不履行への対抗措置として、この合意に明記されている2つの条項に基づき、核合意内の責務履行の段階的な縮小に踏み切りました。
なお、イランによる責務縮小の4段階目は6日水曜、テヘラン南部フォルド核施設に設置された遠心分離機へのガス注入、並びにウラン濃縮により開始されています。
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