新型コロナウイルス
米空母の新型コロナ集団感染で、中国、イランに対する抑止力に穴
-
米空母で新型コロナ感染者が急増
「5000人を超える乗組員の検査を行う間、空母セオドア・ルーズベルトは数日グアムに停泊することを余儀なくされるかもしれない」
航空母艦セオドア・ルーズベルトで新型コロナウイルスの感染者が急増しています。「集団感染に拡大すれば、中国とイランに対する米海軍の即応能力に悪影響を与える恐れがある」と元NATO欧州連合軍最高司令官ジェームズ・スタブリディス退役海軍大将が危機感を訴えています。
AP通信によれば、ルーズベルトがベトナムの港に寄港した後、乗組員20人以上に新型コロナウイルスの陽性反応が確認されました。米海軍は大急ぎで、感染拡大の阻止に取り組んでいるということです。
艦内で最初の新型コロナウイルス感染者が判明したとき、ルーズベルトはフィリピン海で別の米軍艦との演習に従事していました。
海軍作戦部長のマイク・ギルデイ大将は、感染発生にもかかわらず、ルーズベルトは「地域のいかなる危機にも対応できる」と語りました。しかしAP通信によると、5000人を超える乗組員の検査が行われている間、空母は数日間グアムに停泊することを余儀なくされる可能性があります。
米海軍が保有する現役空母はルーズベルトを含めて11隻。その使命は中国とイランに対する抑止力の鍵となることです。
「海軍は今後数カ月、即応能力の点で極めて厳しい状況に陥るだろう」と、スタブリディス氏は言います。艦内の居室は狭く、まさに新型コロナウイルス感染の「温床」になりうるのです。
【横須賀基地でも感染判明】
3月26日の声明でギルデイ大将は、海軍はルーズベルト艦内におけるウイルスの感染拡大を防ぐために、陽性者の特定と隔離に取り組んでいると述べました。
「私たちはこの脅威を非常に真剣に受け止めており、陽性者を特定して隔離すると同時に、船内でのウイルスのさらなる拡散防止に大急ぎで取り組んでいる」。
さらに陽性者の増加が予想されるため、医療スタッフは乗組員の健康状態を注意深く監視している、と彼は付け加えました。陽性と判定された者は、グアムの米海軍病院に移送されるということです。
「私たちは日々、感染対策に取り組んでいる。最優先にしているのは、乗組員を守ることと任務への対応力を維持することだ。この2つは密接に関係している」と、彼は言います。「積極的な対応により、空母セオドア・ルーズベルトは地域のあらゆる危機に対応できると確信している」
3月27日には、別の空母で海軍兵2人のコロナウイルス感染が確認されました。フォックスニュースによると、横須賀基地に配備されている空母ロナルド・レーガンの乗組員2人の陽性が判明、米軍は横須賀基地を封鎖しました。
コロナウイルスは国防総省にも入り込んでいます。25日、国防総省に勤務中の海兵隊員が新型コロナウイルスに感染していたことが報告されました。
この海兵隊員は3月13日以降、国防総省の建物に足を踏み入れておらず、自宅に隔離されているということです。
「海兵隊員が仕事をしていた現場は、国防総省の対策チームによって消毒された。国防総省で働く人々の感染リスクを軽減し、健康を維持するため、海兵隊員が接触した者についての徹底した調査が行われている」と、国防総省の報道官は話しています。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj