南シナ海での中国の軍事演習
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アメリカが中国の抑制政策を続ける中、中国が南シナ海での軍事演習を開始しました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
4月 18, 2016 19:55 Asia/Tokyo
  • 南シナ海での中国の軍事演習

アメリカが中国の抑制政策を続ける中、中国が南シナ海での軍事演習を開始しました。

ヴァガーリー解説員

中国の軍事関係者は、南シナ海での中国の大規模な軍事演習の開始に触れ、「中国軍はこの演習で、仮想敵国との新たな戦闘方法を試す」と語りました。また、この演習の目的は、海軍の力の増強と防衛方法の訓練だとしました。

中国は、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾、フィリピンと、南シナ海の領有権を巡って対立しています。この対立を政治的に解消するための中国の努力にも拘わらず、フィリピン、ベトナム、タイは、中国との対立を国際的な問題にしようとしています。フィリピン政府は、この問題を巡って国際仲裁裁判所に提訴しました。こうした中、フィリピン、ベトナム、タイは、中国に対して自分たちの軍事的な立場を高めるため、アメリカとの軍事・防衛協力を拡大しており、アメリカを南シナ海周辺に進出させています。中国は、これによって地域の治安が脅かされたと考えています。

中国と領土問題を抱える東南アジアの一部の国が、アメリカと軍事演習を行っているため、中国政府は、地域における軍事的な立場を強化しようとしています。この中で、中国は日本とも、東シナ海の領有権を巡って対立しています。日本政府は、この機会を利用して軍事化を図ろうとしています。アメリカ政府も、自衛隊の強化により、日本を中国に対抗させようとしています。さらに、北朝鮮の核・ミサイル問題も、中国がこれまで以上にアメリカから地域的、国際的な圧力をかけられる原因になっています。中国政府は、アメリカが、北朝鮮の核・ミサイル問題を口実に、弾道ミサイルシステムの設置など、韓国での軍事駐留を強化しようとしていることをよく知っています。

アジアでの軍事・治安情勢から、中国は、アメリカが、南シナ海や東シナ海での中国の対立を利用して、この国を軍事的に封じ込めようとしているという結論に達しています。アメリカの東アジア重視の政策とこの地域での軍事駐留の拡大に関するオバマ大統領によるアメリカの戦略政策の発表は、アメリカ政府が、中国の軍事力と経済力の拡大を恐れ、将来、中国がアメリカのライバルとなり、この国の力が縮小すると考えていることを示しています。そのため、アメリカ政府は、南シナ海や東シナ海の軍事化により、武器競争を煽り、この地域の国々との防衛・軍事協力を強化することで、中国を封じ込めようとしているのです。

こうしたことから、中国政府は、地域諸国との対立解消に向けた外交を続けることを強調すると共に、アメリカによる封じ込めの陰謀を退け、南シナ海での演習の実施により、アメリカの覇権主義的な政策に対し、自分たちの軍事力を誇示しようとしているのです。