8月 31, 2020 17:33 Asia/Tokyo

世界各地で30日日曜、シーア派3代目イマーム・ホサインの殉教を悼むアーシュラーの追悼行事が開催され、参加者らは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、マスク着用や社会的距離をとるなどしながら行事に臨んでいました。

30日はイスラム暦モハッラム月10日にあたり、イマーム・ホサインの殉教を悼む記念日です。

イマーム・ホサインは、西暦680年(イスラム暦61年)のこの日、現在のイラク南部の町カルバラで、ウマイヤ朝の暴君ヤズィードの軍勢に果敢に戦い殉教しました。アーシュラーとはアラビア語で数字の10を意味します。

トルコでは、首都アンカラをはじめ、イスタンブールやイズミルなどの都市でアーシュラーの儀式が開催されました。

トルコ政府当局は声明を発表し、「モハッラム月とアーシュラーの出来事はイスラム史における転換点であり、また圧制への対抗の原点となった」と表明しました。

イルナー通信によりますと、英ロンドンでは様々な国籍のイスラム教徒が30日午後、追悼の行列を形成してイマーム・ホサインの殉教を悼み、胸をたたきながら市内を練り歩きました。

パキスタンでは、イマーム・ホサインを偲ぶ人々数千人が街頭に繰り出して追悼行事を開催しました。

アフガニスタンでは、首都カーブルをはじめ、マザーリシャリーフやヘラートなどの各都市でアーシュラーの追悼行事が開催されました。

また、バーレーンでもシーア派教徒が衛生プロトコルを守った上で昼夜を徹し、国内各地で追悼行事に臨みました。

レバノン・ティール(スール)市内でも、市民が自動車に追悼を象徴する旗を掲揚し、イマーム・ホサインの殉教を追悼しました。

ナイジェリアでは、国内の300以上の地域でアーシュラーの追悼行事が開催されましたが、一部地域で参加者と警察が衝突して、複数の逮捕者・負傷者が出ました。同国北部のカドゥナ市では、追悼行列が警察の襲撃を受け、3名が殉教、他に複数名が負傷しました。

また、インドの実効支配下にあるカシミール地方でもイマーム・ホサインの抵抗運動の記念日となった30日に、大勢の市民が街頭に繰り出しました。しかし、インド警察は同地方の中心都市スリナンガル近郊でこの追悼行列を襲撃し、プラスチック弾や催涙ガスを使って参加者を解散させています。

イエメンでも30日、首都サヌアや北部サアダ州などでアーシュラーの追悼行事が開催されました。

このほか、アフリカ大陸に近いマダガスカルの首都アンタナナリボでも、イマーム・ホサインとその忠実な教友の殉教を追悼する行事が行なわれました。

シーア派3代目イマーム・ホサインと教友らが殉教したカルバラの悲劇は、およそ1400年が経過した現在でも、出来事の重要性は薄れるどころか、時代を経るごとにそのメッセージはさらに広がりを見せています。

そして、この出来事の教訓は時代や場所を越えて、今もなお生き続け、圧制者に立ち向かい、真理と公正を求める人々の戦いは脈々と受け継がれています。

 

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