国連総会で首脳演説始まる 米中ロ首脳らがオンラインで登場(動画)
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国連総会で22日、首脳演説が始まった
オンライン形式で開催されている国連総会は、22日火曜から首脳演説が始まり、グテーレス事務総長に続いて米国のトランプ大統領、中国の習近平(Xí Jìnpíng)国家主席らが事前収録のビデオで演説しました。
CNNによりますと、グテーレス氏は冒頭の演説で、新型コロナウイルス感染拡大を第2次世界大戦に匹敵する危機と位置付け、多くの国で民主主義の基盤を揺るがしていると指摘しました。
また、米中間で深まる対立にも言及し、「二大経済国が世界を二分して別々の通商・財政ルールやインターネット、人工知能(AI)技術を持つ事態に陥るのを許すわけにはいかない」と強調しました。そのうえで、多国間主義に基づいて危機解決を図る「ニュー・グローバル・ディール」を提案しています。
しかしトランプ氏は演説で、新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶなど対中強硬姿勢を一段と鮮明化させ、中国当局が出国便を制限しなかったために感染が世界に広がったと非難しました。
また、中国は事実上、世界保健機関(WHO)を支配しているとも主張しました。
これに対してWHOの報道担当者はツイッターに、「WHOには194カ国が加盟している。1カ国の政府に支配されてなどいない」と書き込みました。
トランプ氏はまた、従来の多国間主義を拒否すると明言し、各国首脳に向けて「私は胸を張って米国を最優先している。皆さんも自国を第一に考えるべきだ」と呼び掛けました。
中国の張軍国連大使は同国に対するトランプ氏の主張を「根拠のない言い掛かりだ」と否定し、政府として今週中に正式に抗議する構えを示しました。
習氏は演説で「一国主義と保護主義にノーを」と訴え、さらに温室効果ガスの排出量を2030年には減少に転じさせ、60年に実質ゼロとする目標を発表しました。
ロシアのプーチン大統領は、トランプ氏と対照的な姿勢で国連を称賛し、「平和を守り、持続可能な開発を促進し、各地で危機の軽減を支援する任務を有効に果たしている」と評価しました。
ブラジルのボルソナーロ大統領は、この日のビデオ演説で、アマゾンの森林火災が過大に報じられ、偽情報の被害に遭っていると改めて主張しています。
トルコのエルドアン大統領は、ギリシャとの緊張関係に言及し、地域の問題の原因になっているのはギリシャだと述べました。
新型ウイルスのワクチンをめぐっては、グテーレス氏が冒頭で「ナショナリズム(国家主義)を排した対策を」と呼び掛けました。
プーチン氏は、ロシア製のワクチン「スプートニクV」の信頼性と安全性、有効性を強調し、国連スタッフの希望者に無料で提供する意向を表明しました。
習氏は、中国で複数のワクチンが治験の最終段階に入っていると語り、完成すれば先進諸国に優先順で提供すると表明しました。
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