WHO臨床実験で、レムデシビルのコロナ治療効果は確認できず
10月 17, 2020 19:22 Asia/Tokyo
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WHO レムデシビルのコロナ治療効果は「患者の死亡率にほとんどあるいはまったく影響しない」
WHO・世界保健機関が臨床試験の結果、抗ウイルス薬のレムデシビルが新型コロナウイルス患者の死亡率に「ほとんどあるいは全く影響しない」との見解を示しました。
CNNによりますと、WHOはさらに、「レムデシビルは、患者の回復を早める効果もないようだ」との見方も示しています。
レムデシビルはこれまで、新型コロナウイルスへの治療効果ありと見られていた唯一の医薬品で、FDA・米食品医薬品局も、唯一この医薬品にはコロナ治療薬として緊急使用許可を出していました。
WHOは、世界30カ国のコロナウイルス患者1万1000人超を対象に臨床試験を行い、レムデシビルのほか、ヒドロキシクロロキン、HIV(エイズウイルス)治療薬ロピナビルとリトナビルの併用、インターフェロンの3種類について効果を検証しました。
しかしこれらの試験の結果、いずれも患者の延命効果や、退院を早める効果は認められなかったことを明らかにしています。
レムデシビルに関してはこれに先立ち、米国で大規模対照調査が実施されており、成人の重症患者の回復までの時間を約3分の1短縮できた一方で、軽症の患者にはほとんど効果なし、という結果が出ていました。
なお、こうしたWHOの研究結果に関して、レムデシビル(製品名ベクルリー)製造元である製薬会社のギリアド・サイエンシズは、「レムデシビルに全く効果がないという意味ではない。ベクルリーの有効性は、無作為に実施された3回の対照臨床試験で実証されている」と強調しています。
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