ノーベル経済学賞のデュフロ氏、「西側はコロナ対策で大きな誤りを犯した」
2019年にノーベル経済学賞を受賞したフランス人経済学者で、現在は米マサチューセッツ工科大学教授を務めるエスター・デュフロ氏(48)が、「世界経済への利益と比べれば、包括的なコロナワクチン接種のコストは取るに足りない」とし、「貧困国でのワクチン接種を支援しなかったことは、豊かな西側諸国が犯した大きな過ちだ」と語りました。
イルナー通信によりますと、デュフロ氏はフランス南部で行われたある経済会合において、「先進国は、新型コロナウイルスの世界的大流行から脱出するいくつもの機会を逃している」とし、「西側諸国の大きな過ちの1つは、貧困国に対し国民への予防接種の可能性を与えていないことだ」と述べています。
また、今秋に英グラスゴーで開催予定の気候変動国際会議に触れ、「このような状況の中で、地球温暖化の危機に直面し、世界の国々が地球温暖化の危機への対処において、どのようにして相互協力できるのか」という疑問を提示しました。
さらに、「コロナ危機の発生当初、西側諸国は政府機関の最終承認の前に、米ファイザー社とモデルナ社のワクチンを大量生産することを決定していた。しかし、彼らは次の段階で取り返しのつかない過ちを犯し、『大量生産』を厳しく制限し、実質的に国内のニーズを満たすだけに留まった。その結果、これまでのところ、貧困国では第1回の予防接種にこぎつけたのは総人口のわずか1パーセントだけだ」としています。
そして、「経済的困難と衰退に直面している貧困国は、本格的な国際的支援を受けていない」と語りました。
最後に、IMF国際通貨基金の統計を論拠として、「今年、世界の総人口の40%に予防接種を行う費用は、2022年に世界の総人口の60%に予防接種を行う費用を加えても、合計500億ドルと見積もられている。一方、同時期の世界経済の総利益は約9兆ドルになる見込みだ」と警告しました。
コロナ危機が始まって以来、これまでに全世界で1億84,57万3,000人以上がコロナウイルスに感染しており、このうち3,99万3,000人以上がコロナ感染により命を落とし、また1億6,800万人以上が回復しました。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj