カナダの醜聞に対する、人権主張者たちの沈黙
人権擁護を主張する世界最高機関が、カナダで先住民の子どもの遺骨や墓が大量に発見されたことに対し固く沈黙を守り、その行動が世界の話題のひとつとなっています。
イルナー通信によりますと、世界の些末な出来事にもさわぎたてて人権擁護の態度を見せたがる人権諸機関や国連は、カナダでの出来事に対し沈黙しています。
19世紀から20世紀の間、カナダでは15万人の先住民の子どもたちが親元から強制的に離され、白人社会へ「同化」させるために寄宿学校に入れられました。自分たちの言葉や文化を禁止された子どもたちは、その多くが栄養失調になるなど十分な世話をされなかったり、虐待の対象になるなどしました。そのうち少なくとも4000人が、病気、ネグレクト、虐待、事故などで命を落としています。
カナダ政府は2008年、これらの学校において暴力や性的虐待が横行していたことを、謝罪とともに認めました。
カナダ先住民社会の指導者らは今年5月以降、3回にわたって子どもたちの無記名の墓が発見されたニュースを発信してきました。一方で、同国のトルドー首相はこの醜聞を切り抜けようと、批判の矛先をかわす盾としてキリスト教会を利用しました。
しばらく前にもカナダ先住民族の長の1人が、カトリック教会運営の先住民の子どもを集めた寄宿学校跡で、墓標のない集団墓から215人の遺骨が発見された事実を強調しています。ブリティッシュコロンビア州カムループスにあったこの学校は、1800~1969年まで使用されていました。
さらに、別の先住民族指導者も先日、サスカチュワン州カペル川沿いのキリスト教区で1898~1997年の間運営されていた学校跡において、新たに751人の遺骨が発見されたことを伝えています。
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