豪、ジョコビッチ選手のビザを再度取り消し ワクチン接種拒否には賛否両論
テニスの全豪オープン出場のためにオーストラリア入りしたノバク・ジョコビッチ選手が新型コロナウイルスのワクチン接種を拒否している問題で、豪政府は同選手のビザを再び取り消しました。一方、母国セルビアからはジョコビッチ選手のワクチン接種拒否をめぐって賛否両論が聞かれます。
毎日新聞によりますと、ジョコビッチ選手は今月4日、「医学的理由によりワクチン接種が免除された。これから豪州に向かう」とSNSで公表。全豪オープン主催者や開催地ビクトリア州政府も接種免除を認め、翌5日にメルボルンに到着しました。
しかし、豪州国民からの反発を受け、政府はジョコビッチ選手の入国を拒否。足止めを食らう中、豪州裁判所が政府の決定を取り消し、一旦入国が認められました。しかし、14日金曜、政府は再び同選手のビザを取り消し、ジョコビッチ選手に対し入管施設に入るよう命じました。
ジョコビッチ選手の故郷セルビアのベオグラードでは、ワクチン接種拒否の姿勢について賛否両論の声が聞かれます。
ある市民は、ロイター通信に対し「外国では外国のルールがある。もし、豪州がワクチン接種が入国の条件だと言うのなら、接種すべき。そうでなければ、問題が起こる」とコメントしました。別の市民も「トップにとどまりたいのなら、彼は接種しなければならない」と述べました。
一方で、「豪州は自分たちの問題のために彼を惨めな移民のように扱っている」などと、5月に総選挙を実施するモリソン豪首相によって、ジョコビッチが政治利用されていると非難する声も聞かれました。
セルビアのブチッチ大統領も自身のSNSに「なぜ彼を不当に扱うのか」と投稿し、豪州の対応を非難しました。