ハンガリー、「欧州10カ国がルーブルでロシア産ガスを購入」
ハンガリー首相府のグヤーシュ(Gergely Gulyas)長官が、「現在、欧州10カ国が自らの主張に反し、ロシア産天然ガスを同国の通貨ルーブルでの支払いにより購入している」と語りました。
ロイター通信によりますと、EU外交官2名は、欧州委員会とEU加盟国との協議の後、「EUは2022年末までに、ロシアからの原油の輸入を停止したいと考えている」と述べています。
プーチン・ロシア大統領は去る3月に署名した命令により、全てのロシア産天然ガス取引に対しルーブルによる支払いを義務付けました。
ロシアのニュース局・ロシアトゥデイによりますと、グヤーシュ長官は同局のインタビューで、「どうやら、多くの国は表向きにはロシア産天然ガスの購入に当たってのルーブル払いを呑まなかった模様である。だが、欧州10カ国は現在、この条件を受諾し、公にはそれを公表しないまま、ロシアからガスを輸入しているようだ」と語りました。
また、これに関して特定の国の名を挙げなかったものの、これらのすべての国が舞台裏では、ロシア・ルーブルにより同国産ガス輸入の支払いを行っている事実を認めています。
ハンガリー外相も先月29日、「多くの西側企業が、ガスのルーブル払いというロシア側の条件を呑んでいるが、策略としてこれを表向きには公表していない」と述べました。
米ニューヨーク発行の雑誌・タイムは、ウクライナ戦争に関する解説記事において、「ロシアは、ウクライナとの戦いの場では成功していないが、エネルギーという武器により、ウクライナを支援しようとするヨーロッパの本格的な対抗措置を首尾よく阻止できている」と報じています。
さらに、「ロシアは2009年にも、ウクライナや欧州近隣諸国へのガス供給を停止している。その目的は、冬の寒い時期にウクライナを降参させるためであり、この目的を達成した」としました。
ロシアのガス会社ガスプロムは、ルーブルでの支払い不履行を理由に、ポーランドおよびブルガリアに対するガス輸出を停止しています。