1月 12, 2023 20:55 Asia/Tokyo
  • ファーティマの生誕日
    ファーティマの生誕日

イスラムの預言者ムハンマドの娘で、シーア派初代イマーム・アリーの妻だったファーティマの生涯は、すべての信仰心ある人々、特に女性にとって、包括的で美しい模範です。

ムハンマド預言者に任命されてから5年がたった、イスラム暦ジョマーディオッサーニー月20日、ファーティマが生まれました。彼女の両親は預言者ムハンマドとその最初の妻、ハディージャでした。メディナの町は祝祭の光にあふれ、預言者ムハンマドの家は喜びで祝福されていました。

ファーティマはイマームたちの母、女性の中の女性など、様々な呼び名があります。彼女は2歳のとき、両親とともにアブーターレブの谷でとらわれ、3年間そこで空腹に耐えながらほかのイスラム教徒たちとともに過ごしました。5歳のとき、母であるハディージャが死亡し、8歳のときに家族とともにメディナに移りました。

ファーティマは623年、シーア派初代イマーム・アリーと結婚しました。この結果、ハサン、ホサインの息子2人と、ゼイナブ、ウンムクルスームの娘2人が生まれました。ファーティマは家庭の中で、責任ある人間としての役割を、最も美しい形で果たしました。彼女は家族全員がそれぞれ人々の模範となるような家庭の監督者であり、その中では理想的な家族関係が築かれていました。人々は、ファーティマがアリーとともに指導した子供たちを行動の模範としています。

ファーティマの生誕日

 

イスラムの出現前、女性は社会的な地位を持たず、歴史はほとんど、男性のものでした。男性は女性の生活を支配下に置いており、そのエネルギーと能力を活用できる場所は与えられていませんでした。この時代、女性の役割はたいてい、すみに追いやられており、女性は通常、男性の所有物の一部とみなされていました。また、この不当な伝統により、独立した人間と考えられていなかったのです。イスラムはこの非人道的な抑圧を認めず、女性を男性と同じく人間として認め、それぞれに等しく、重要な責任を受け入れさせており、人間の美徳は理性と感情の成長の中で、意思を持って努力してみにつけるもので、性別にかかわらないとしてます。同様に女性、男性いずれの役割も、精神的、身体的な特性により異なります。この人間としての差異により、彼らは互いに補い合う存在となるのです。

イスラムはこれに関して、ファーティマのような女性を人間社会に送り出しました。ファーティマの栄誉ある宗教的な生涯は、すべての信仰心ある人間、特に神を求める女性にとっての美しく包括的な模範です。彼女は道徳、精神性、賢さ、思想、知識、洞察力、自由、勇気、完全性、信仰という点で、世界の誰よりも優れた女性でした。

ファーティマはまた、女性の成長を、華やかな生活や美しい服の中ではなく、進んだ考え方や、自由な社会や美しい世の中をつくるのにふさわしい子供たちの教育の中に求めていました。彼女は簡素な生活や知識、美徳などにより、女性が人間のあらゆる栄誉を獲得でき、すべての人々の模範となれるということを証明しました。

 

イランイスラム革命最高指導者ハーメネイー師は、次のように語っています。

「ファーティマはその偉大さと栄誉により、家庭の中で、一人の妻であり、また一人の女性である。イスラムが語ったように、その信仰、雄弁さ、その賢明さや知識、哲学や英知、その聖なる戦いと奮闘、一人の女性として、一人の妻として、一人の母としての振る舞い、哀れな人々に対する情、預言者ムハンマドが哀れな老人をイマーム・アリーの家の前まで送り、『彼らに必要なものを求めなさい』と述べたとき、ファーティマはその老人に2代目イマーム・ハサンと3代目イマーム・ホサインが寝ていた、家にある唯一のものである皮の敷物を与え、『これをもっていって売り、そのお金を使ってください』と言ったこと、これらはファーティマの総合的な人格である。これこそが模範である。イスラム教徒の女性の模範とは、まさにこの人物である」

 

イランイスラム共和国・創始者のホメイニー師は、女性の地位を高く位置づける中で、次のように語りました。

「ファーティマの生誕日は女性の日に定めれられる。この日を選んだのは、ファーティマをすべての時代における母と妻の模範とするためである」

 

ファーティマの生誕日は、「母の日」とも呼ばれています。この日が選ばれたのは、最も成功した母の、母としての役割を振り返ることができるようにするためです。

明らかに、ファーティマについて語る上でもっともふさわしいのは、創造主の言葉です。コーランの研究者や解釈者は、コーランの節の一部は、ファーティマの栄誉により下され、人類の模範としての長所と完全性について触れていると考えています。たとえば、コーラン第97章アル・ガドゥル章みいつ、108章アル・カウサル章潤沢などの節を挙げることができ、言行録によれば、それらはファーティマの精神的な地位を物語っているということです。

コーラン第108章アル・カウサル章潤沢

 

コーランはファーティマを預言者ムハンマドの「カウサル」としています。カウサルとは多くの善などといった広い意味を持っていますが、偉大なシーア派やスンニ派の学者の多くは、それに当てはまる最も明らかなもののひとつは、彼女の神聖な存在だとしています。

アル・カウサル章がくだされた際、多神教徒は、後継者がいないとして預言者ムハンマドを非難しました。しかし、コーランは彼ら多神教徒の言葉を否定し、「我々はあなたにカウサルをあたえた」としています。このカウサル、多くの善が、まさにファーティマであり、彼女を通して預言者ムハンマドの一族が続きました。コーラン解釈者はこの節が、預言者に子孫がいないということはなく、多くの子孫や一族を持つことになると伝えました。これは、コーランの驚くべき側面のひとつです。

 


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