イマームマハディの生誕日に寄せて
(last modified Sat, 20 Apr 2019 19:30:00 GMT )
4月 21, 2019 04:30 Asia/Tokyo
  • イランの聖地ゴムにあるジャムキャラーンモスク
    イランの聖地ゴムにあるジャムキャラーンモスク

4月21日にあたるイスラム暦シャアバーン月15日は、シーア派12代目イマームで救世主とされるマハディの生誕日です。

全知全能の神は、人間を創造する前に天使たちに向かってこう言いました。

「地上に私の代理人が現れる」

 

 

地上の代理人としての神の最初の指導者は、アーダムでした。彼の後にも次々に預言者が現れ、創造主と創造物の間の結びつきが保たれました。地上における神の代理人の存在は、不変の法則のひとつであり、この世が存続する限り、続きます。真理のすべてを反映させる、この創造物は、他の何よりも、神とのつながりを持っています。人間は、地上における神の代理人として、至高なる神のすべての美徳を反映させる上で、最も完全で優れた創造物となっています。

 

聖典コーランは、さまざまな民族の運命を伝えています。そして、神がどのようにして、彼らすべてのために、類まれなる預言者を遣わしたかを明らかにしています。こうした民の一部は、真理の言葉を受け入れましたが、他の人々はそれを拒み、こうして神の責め苦を受けることになりました。

 

コーランのさまざまな物語は、総体的なメッセージを含んでいます。それは、神はいかなる民も、指導者を遣わさずに放置することはなく、これは創造の秩序全体における絶対的な掟だということです。シーア派初代イマーム、アリーは、人間の創造に触れた後、次のように語っています。

 

「神は、人類社会に対し、預言者や聖典、明らかな道とゆるぎないしるしを与えた」

 

イランの聖地ゴムにあるジャムキャラーンモスク

 

現在、シーア派12代目イマーム、マハディは、神のすべての性質を具現する代理人として、地上に暮らしています。イマームマハディは、西暦869年、イスラム暦255年シャアバーン月15日、現在のイラクの町、サマラに生まれました。イマームマハディが5歳のときに、父のイマームハサン・アスキャリーが亡くなり、至高なる神の掟に従って、彼が地上の神の代理人となりました。それは、人間が創造されてから数千年の時を経た今も継続されています。

 

イマームマハディは、世界を変え、全面的な改革に着手し、金や武力によって打ち立てられた文明を根絶するために現れました。コーラン第28章アルゲサス章物語、第5節によれば、イマームマハディは、神の約束を実現し、正義を伴う友好と平和を地上に広めるために、神の価値観に基づいて新たな文明を打ちたてるとされています。

 

また、真理を隠し、不信心に走ろうとしていた神の宗教の敵たちは、いつものように、この宗教の指導者であるイマームマハディを暗殺しようとしました。しかし、神は、イマームマハディをお隠れの状態にしました。こうして、イマームは生き続け、適切なときに姿を現し、世界に正義を広めるのです。

 

 

最後のイマームの出現には、人々の同調の用意、道徳や知識の開花、時の経過といった条件が必要です。最後の宗教指導者は、人々を目的地まで導くために統治権を握ります。それは、神を中心に、公正の追求と法の支配に基づいたものです。これらが実現するのは、人々が、神の導きを利用する用意ができているときです。社会に好ましい下地が整っておらず、人々がイマームの指導を受け入れる準備を整えていなければ、そこに共同体の救世主が現れても、何の効果もないでしょう。

 

人間は、社会生活の中で、発展や存続のために、統治体制を必要とします。人々は、圧制とは無縁の、健全で穏やかな社会が確立されるよう、為政者の指示に従います。しかし、現実には、このような望みは叶わないばかりか、日々、さまざまな圧制の広がりが見られています。

 

そのため、世界の政治や安全保障が不安定になり、さまざまな陰謀が各地に広がり、病気が蔓延し、道徳的な堕落に陥っている今、人々は、心の底から、神から選ばれた指導者の出現により、公正が確立することを願っています。この願いこそ、イマームマハディによる世界統治を受け入れる上での、好ましい下地となり、人類社会の全体に広がる必要があるのです。

 

とはいえ、この願いは、ただじっと静かに待つだけのことを意味しません。この願いは、希望を意味します。人間の生活における希望は、抵抗や活動の最も大きな原動力となります。この希望とは、神がコーランや伝承の中で、必ず起こることとして約束している、明るい未来に対するものなのです。

 

 

イマームマハディの統治は、それまで人類が実現しえなかった、理想的な社会の新たな定義と正義を提示します。イマームマハディの統治の実現により、圧制的で堕落した政権は歴史から葬り去られます。明らかに、このような社会を実現するには、圧制者との戦いが不可欠です。

 

この戦いのためには、機能的で強力な政府と、軍隊を必要とします。その政府は、特別な人々で構成されていなければなりません。あらゆる面で、非常に困難な闘争に耐え、その後、社会を管理するのにふさわしい能力を持った人々であることが必要です。あんぜなら神は、イマームマハディが、その使命をたった一人で実行することを定めてはいないからです。人々がこの大きな出来事に関わり、歴史的な運命を決定する上で、役割を果たすように定めています。

 

そのため、世界に圧制と不公正が広がるのと同時に、救世主を助けるために、善良でふさわしい人々が育成される必要があります。救世主が出現する前には、それを望む人々が、救世主を助けるのにふさわしい個人と社会が見つけ出すために大きな責務を背負います。

 

まず最初の責務は、救世主について正しく知ることです。また、自分自身の好ましくない性質を改めることです。

 

救世主の協力者たちは、管理能力と共に、精神的に優れ、その時代の最も完全な人々と見なされます。宗教の偉人たちは、救世主イマーム・マハディの時代の協力者の人格や精神的な特徴について説明しています。その特徴とは、知識、信仰、忍耐強さ、清らかさ、洞察力などです。偉大なイスラム法学者の一人、セイエド・イブン・ターヴース師は、イマームアリーの次のような言葉を紹介しています。

 

「イマームマハディの協力者は、強い信仰を持つ人々であり、全身全霊で神を信じている。イマームのために戦い、イマームの指示に心から従う。朝まで神への礼拝に立ち、その心には光がともっているかのようである。彼らは神を畏れ、神の道において命を捧げることを願う」

 

 

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