ペルシャ語ことわざ散歩(163)「篩い(ふるい)で水を測る」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「篩い(ふるい)で水を測る」という慣用句です。
ペルシャ語での読み方は、Aab baa gharbaal peimuudanとなります。
このことわざで使われている篩いとは、比較的目の粗い篩いを指します。
おそらく、文字通りの意味から本来の意味を何となくご想像いただけた方もいらっしゃるかと思います。篩いで水を測ろうとすれば、水は篩いの目をくぐりぬけ、何も残らないことは一目瞭然ですね。
皆様もご存知のとおり、日本でも何か選りすぐりのものだけを厳選することを「篩いにかける」などと言われますが、ふるいにかけた結果残った物と篩いに引っかからず落ちたものとの違いが生じることに意味があるわけです。ですが、水を篩いにかけても何も残らず、すべて篩いの目をすり抜けてしまいます。
このことから、「篩いで水を測る」とは、「何の結果にも結びつかない無駄なことをする」ということを意味しています。
また場合によっては、何の効果もない、または実際にはできないことを指す場合もあるようです。
さらに、ペルシャ語には同じような意味内容を示す慣用表現として、「水を臼で潰す」というものがあります。こちらも、実際にその場面を思い浮かべてみれば、本来の意味をご理解いただけるかと思います。
日本語でも「焼け石に水」「水を差す」「水を得た魚」のように、水を使った慣用句は数多く見られますが、実はペルシャ語にも水という言葉を含む慣用句は非常に多く見られます。今後も折に触れて、そうした慣用句やことわざを随時ご紹介してまいります。どうぞ、お楽しみに。