7月 29, 2023 16:12 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介することわざは、「白装束でやって来て、白い脚絆で出てゆく」です。

ペルシャ語での読み方は、Baa lebaas-e sefiid mi-aayad, baa lebaas-e sefiid mi-ravadとなります。

このことわざの意味は、もう皆様もご想像いただけたかもしれませんね。これは特に、女性が白無垢の花嫁衣裳でやって来て男性と新生活を開始し、また相手との一生を終えて白い脚絆に包まれ嫁ぎ先から出て行く、ということを意味しています。

イランでは昔、このことわざは特に嫁いできたばかりの女性に対して使われ、意味合いとしては「あなたは何もないまっさらな状態でこの家に嫁いできたのであり、あなたがここから出て行くときは白い脚絆を着るとき、すなわちこの世を去るときである。決して離婚などあってはならない」ということになります。

このことわざは非常に忍耐強い人に対しても使われるようです。いくら好きで結婚しても、長い結婚生活の間には色々な問題も生じ、価値観や考え方の変化、やり方の違いなどからすれ違いが生じることの方が普通ではないでしょうか。そうした際にも簡単に離婚など考えず、このことわざを使って「そんなに簡単に家庭の基盤を壊したくない」という意味でも使われています。

さらに、浮気や不倫、裏切り、離婚などは決して考えないという意味にもなるようです。

同じ2人が長く一緒に生活していると、時間の経過とともに色々な意味で結婚した当時の枠にはまりきらなくなり、またどちらかの波動が上がり成長したがために、精神的にはもう別れたも同然、というケースは後を絶たないようです。確かに、成長した自分にふさわしいように、古い人間関係を卒業して新たな人間関係を構築するということも考えられます。しかし、2人がお互いに学び成長し合うことで一生涯をともにできることは、人間として最も理想的なことの1つではないかと思われますが、いかがでしょうか。それではまた。

 


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