8月 07, 2023 15:30 Asia/Tokyo

前回のこの番組では、イランの画家・彫刻家であるヴォドゥード・モアッゼンザーデ氏についてご紹介しましたが、今回に引き続き、同氏の創作活動についてお届けしてまいります。

モアッゼンザーデ氏は、家族教師などのサポートを受けて、幼少時代から絵を描いていました。

そしてその後も、イラン国内外で専門的に学びました。

この邸宅には、モアッゼンザーデ氏の作品が多数置かれています。

それでは、どうぞ最後までご一緒ください。

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ー ご自身の作風についてお聞かせください。

モアッゼンザーデ氏:私はおおむね、写実主義(リアリズム)的な創作を行っています。

近代主義(モダニズム)的、抽象的な作品もありますが、写実主義的な方が好みです。

私は、自然に非常に関心を持っています。特に心惹かれるのは、自分の故郷であるイラン北西部アルダビールの自然です。

そのため、イランに帰国してからは、主に自然をテーマとした創作活動を開始しました。

ここにあるのは、冬景色を描いた風景画です。

アルダビール(の自然)は、冬といえど決して白一色にならず、カラフルです。

この絵は、アルダビール近郊の美しい自然を描いています。

こちらは、アルダビール州の街・サルエインの冬景色です。

 

ー これらの作品には違いがありますね?

モアッゼンザーデ氏:そうですね。これらの作品はテーマや技術の面で違いがあります。

こちらは、立体作品になります。

こちらは、哲学的な「苦痛」をテーマとした絵画です。

 

ー 立体作品の制作は、いつごろから始められたのですか?

モアッゼンザーデ氏:約20年前です。

10年前からは、発表用の作品の制作も始めました。

私の立体作品は、ほとんどが文学者や文化人を題材としたものです。

中には、市立美術館に展示されているものもあります。

こちらも、私の作品の一部です。

 

ー 題材とする著名人の多くは、イランの人物ですか?

モアッゼンザーデ氏:そうです。以前に(西洋の作曲家)ベートーベンの像を造ったこともありますが、大半はイランの人物を題材にしています。

ー この彫像は、誰が題材でしょうか?

モアッゼンザーデ氏:(神秘主義教団のひとつであるサファヴィー教団の教主でアルダビール出身の)シェイフ・サフィーオッディーンです

 

ー こちらは、もう完成した作品ですか?

モアッゼンザーデ氏:(これが何かを理解してもらうために)まず、彫像の制作過程について手短に説明しましょう。

最初に、題材とする人物をあらゆる角度から調べます。

次に、その人物をどのような姿で表現するかを考えます。

それが決まったら、実際にどのような形にするかを紙の上に描いてみます。

その上で、30cmサイズの像を試作します。

この試作を土台にして、細部の形を整えます。

それから、最終段階である本制作に取り掛かります。

本制作で作るのは、試作の数倍の大きさです。

ここにあるのは試作品で、完成作品はこの4倍の大きさになりました。

 


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