8月 16, 2023 22:59 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回はイランの食文化の大きな構成要素の1つとされるパンに関する表現をご紹介してまいります。

パンはペルシャ語で「ナン」と呼ばれますが、話し言葉ではヌンと発音されています。

本日は、「私たちは小麦でできたパンを食べたことはないが、人々の手で見た」という表現をご紹介しましょう。

ペルシャ語での読み方は、Na-khordiim nuun-e gandom diidim dast-e mardomとなります。

すでに皆様もお気づきのように、この表現は文章の中ほどと文末で韻を踏んでおり、耳で聞いても語呂合わせの良さが感じられるかと思います。

このことわざは、「ある物事について自分は実際に経験したことはないが、それについてきちんと知っている、決して無知ではない」という意味になります。

このことから、自分にはその実体験はないものの、あることについてしかるべき情報を得ており、しかもそれに確信を持っているような場合、誰かから「経験もないくせにいい加減なことをしゃべるな」などと言われた時などに、それに対する反論としてこの表現が使われています。

自分の実体験に基づいて何かを話せば、一番説得力があるかもしれませんが、私たちはすべての物事を経験することはできません。「百聞は一見に如かず」というのは確かなことです。ですが、場合によっては、しかるべき情報源から得た確実な情報や、実際にその経験のある人の体験をもとに話をする必要も出てくるかと思われます。

ですから、この表現を使う場合は同時に、権威のある研究機関や組織、人物の証言などを引き合いに出して、OO大学のOO教授の研究では、国際OO機関のデータでは、などと付け加えてはどうでしょうか。そうすれば、決して自分勝手な独断と偏見で話をしているのではないことが分かってもらえると思います。

それではまた。

この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイよりお送りしています。

 


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