7月 27, 2016 19:33 Asia/Tokyo

今週の金曜広場もお聞きください。

芝田

さて福本さん、最近は、最高気温が40度を超える暑い日が続いていますよね。私たちが一日の勤務を終えて帰宅するのは、午後の5時ごろなのですが、実はイランは、この時間帯が一日のうちで一番気温が高いらしいのです。

福本

そうなんですか?日本の感覚で何となく、午後の2時から3時頃が一番気温の高い時間帯だと思い込んでいたのですが。

芝田

私もその感覚でいたのですが、先日、イランの気象庁のサイトを見ていたら、毎日、ちょうど午後の5時から6時ごろの時間帯に、その日の最高気温となることが分かりました。どうりで毎日、帰りの車の中でエネルギーが奪われているような気がするわけです。日に当たっていると、肌がじりじりと焼かれるような感覚です。ちなみに、一番気温が低くなるのは、朝の5時から6時ごろのようです。また、午前8時ごろまでは、ほとんど気温が上がらないので、何かをするにはやはり、朝の時間帯が適しているのだと思いました。

福本

遠い昔に「夏休みの宿題は午前中に」って言われていたのを思い出しました。確かイランのことわざにも「早起きは三文の徳」と同じ意味のことわざがありませんでしたか?

芝田さん

ペルシャ語にもありますね。フーシュファルさんは、「成功したいのなら、早起きをしなさい」ということわざを教えてくれました。

 

●リスナーより

「イスラムへの理解という番組で、“コーランは一種のリズム感はあるが、詩でも散文でもない”とうところが印象に残りました」

 

●ラジオより

芝田

コーランの朗誦ですが、日本にいるとほとんど聞くことはないと思いますが、イランで暮らしていると、テレビの番組などで耳にする機会が多いですよね。

福本

えぇ、一般のチャンネルから聞こえてくることもありますし、それに加えてIRIBのテレビ、ラジオには、コーラン専用のチャンネルがありますよね。聖職者の講話が聞けたり、もちろんコーラン朗誦者による朗誦が流されているわけですが、独特のリズム、間があって。コーランの朗誦にはヒーリング効果がある、という研究結果も出ているそうですよね。イスラムの創成期に、預言者ムハンマドが朗誦していた響きってどんなものだったのでしょうね。再現することは叶わないわけですが、多神教徒をも魅了したその朗誦というものを聞けるものなら、聞いてみたいと思ったことがあります。

芝田

確かにそんな話がありますね。コーランとは異なるのですが、イランでは、礼拝の時刻になると、街中のモスクなどのスピーカーから、アザーンと呼ばれる、礼拝の時刻を知らせる放送が流れてきますよね。これも独特のリズムがあります。夕方、町を歩いているときにこの音楽というか、響きが聞こえてくると、イランに来たばかりのころは、あー、異国で暮らしているのだな、と思ったものです。どのような響きか、ここで少し聞いていただきましょう。

 

●リスナーより

「今度、IRIBの他の言語の放送やスタッフを紹介する番組を放送してください」

 

●ラジオより

芝田

IRIB国際放送は全部で31言語あり、ラジオ放送は33局です。福本さん、私たちも、時折、他のラジオ局のスタッフたちと接する機会がありますよね。

福本

最近はそれほどでもないのですが、以前は中国語ラジオのスタッフが、ニュース原稿の中の日本人の名前を確認するために、これはなんと読むのですか?と尋ねられることがありましたね。また、ペルシャ語会話の番組では、ウルドゥ語ラジオのスタッフに登場してもらったこともありました。

芝田

彼らの話を聞いていると、私のようにペルシャ語を大学で勉強してやって来た、という人は、それほど多くはないようです。ジャーナリズムを勉強した人、宗教を専門とする人などが多く、ペルシャ語はこちらに来てから勉強した、という人が多数派を占めているみたいなんですね。それでも翻訳ができるようになるのですから、すごいなと思います。また、アジア系の放送局の人たちは、ペルシャ語の他、英語とアラビア語に精通している人が多いようです。

福本

皆さん、マルチリンガルなんですね。そしてペルシャ語云々を言う前に、きちんと専門分野を他に持っているのですね。そうした人たちの集合体であるIRIB国際放送局、芝田さんの説明を聞いて、手前味噌的発言で恐縮ですが、あらためて見直してしまいました。

 

●リスナーより

「イラン映画の巨匠であるアッバス・キアロスタミ監督が亡くなったことは、日本でも伝えられました。私は代表作の友達のうちはどこ?と桜桃の味を見たことがありますが、2作品とも自然豊かで、人間味溢れる作品だと感じさせられました。イラン、いやアジアを代表する監督を失ったことは、本当に残念だと思いました」

 

●ラジオより

芝田

福本さん、このニュースは私たちにも衝撃でしたよね。

福本

えぇ、訃報の第一報を聞いて、思わず「えーっ!」と声を上げてしまったほどです。早すぎますよね。まだまだ彼の作品を見られるものと思っていました。先日のラジオ日誌で、上野スタッフが「キアロスタミ作品がペルシャ語を学ぶきっかけだった」と書いていましたけれど、イラン映画というジャンルを国際的に知らしめた第一人者でしたよね。

芝田

そうですね。私は一度、イランにいるうちに、「友達のうちはどこ?」の舞台になった町を訪れてみたいと思っているんです。

 

●リスナーより

「イランの食文化で取り上げられていたサフランについて、放送を聴取した後に、イランでの使用方法をもっと知りたいと思い、インターネットで検索していると、非常に興味深い旅行記を発見しました。内容は、イランを旅行した際に、サフラン入りの砂糖棒、サフラン・ナバットというものを購入したとのこと。それによると、イラン国内で紅茶を飲む際に食べられるものとかかれていたのですが、イランでは相当ポピュラーなものなのでしょうか。ぜひ教えていただきたく思います。また、イランの紅茶についても番組で取り上げていただけるとうれしいです」

 

●ラジオより

芝田

さて、福本さん、このサフラン・ナバット、ペルシャ語ではナバートと発音されますが、イランでは確かにポピュラーでどこでも手に入りますよね。

福本

多分、どこのご家庭でも常備されているものの一つだと思います。ご近所の食料品店でも売っていますが、イラン北東部の宗教都市マシュハドの御土産としていただくことも多いです。マシュハドのあるホラーサーン地方はイラン第一のサフランの産地ですからね。そして、伝統的な喫茶店、チャイハーネでお茶と一緒に出されるのが、白い角砂糖ではなくて、このナバートなんですよね。

芝田

黄色いクリスタルのようできれいです。

福本

見た目は氷砂糖のようなんですよね。最近ではスティックがついているタイプのものがほとんどで、そのスティックをつまんで、紅茶をくるくるとかき回すと甘くて美味しいサフランティーになります。ですから、先ほどの旅行記には、「ナバートはお茶を飲む際「食べるもの」と書かれていたようですが、実際には、お砂糖代わりに溶かして利用するものです。息子が小さい頃の話ですが、夫の母から、子どもが「お腹が痛い」と訴えたときなどは、このナバートをお茶に溶かして飲ませるといいわよ、と教えてもらいました。日本人としてはお茶のカフェインが気になるところですが、イランの人たちはこうして幼い頃からお茶に親しんでいるんですね。

芝田

イラン人は紅茶をよく飲みますよね。

イランにも有名な紅茶の産地があります。特にカスピ海沿岸のラーヒージャーンが有名です。

 

●リスナーより

「イランの人に、どら焼き、たい焼きもいけるんじゃないでしょうか」というお便りを頂きました。

 

●ラジオより

芝田

福本さんは、日本からのお土産で、イラン人にどら焼きなどを持ってきたことはありますか?

福本

いえ、そういえば、これまでお土産にどら焼き、というチョイスはしたことがなかったですね。イランの方たちは男性でも甘いもの好きな方は多いのですが、アンコってどうなのかしらと思って。あ、でもイランにも似たようなお菓子がありますね。中にナツメヤシの実のしっとりとした餡が入っていて、外側が香ばしい皮で包まれている、ケルマーンシャー州の御土産。どら焼き、というよりは栗まんじゅうに近いかもしれませんが。

芝田

確かに、あのお菓子は似ていますね。私はこの間、日本から友人が訪ねてきてくれたときに、実はどら焼きをリクエストしたのですが、イラン人に分けてあげようという考えが起きる前に、自分で全部食べてしまいました。今度は機会があったら、イラン人にもおすそ分けしてみようと思っています。