8月 31, 2016 19:49 Asia/Tokyo

今週の金曜広場もお楽しみください。

●リスナーより

今日の特別番組ではペルシャ書道について取り上げられていましたが、イランを旅行した時にガズヴィーンでペルシャ書道が展示されている書道博物館を訪れ、書道の文字、カリグラフィーに目を奪われたことを思い出しました。日本でペルシャ書道の個展などが開かれ、その素晴らしさを知ってもらうことができればいいのにと思っております。質問があるのですが、日本書道ではお正月に書初めをしますが、イラン書道ではノウルーズに書初めをするのでしょうか?

●ラジオより

(北川)イランの書道、流れるようなラインが、見ていて美しいと常に思います。とはいえ、元旦に1年の計を立てることも含めた日本の書初めのような習慣は、さすがにイランを含めた中東にはないと思うのですが。福本アナ、このあたり、何かご存知ですか?

(福本)そうですね。北川さんがおっしゃるとおり、イラン書道、ペルシャ書道において「書初め」という習慣はないように思います。日本の小学校ですと、必ず冬休みの宿題にお習字があって、学校単位、県単位での大会が開催されていますよね。でもイランの学校の場合、そこまでの規模の取り組みっていうのは私の知る限りではないようですね。そもそもイランの書道はコーランの言葉をいかに美しく書き記すか、というところから発達してきたという話を聞いたことがありますが、それを物語るように、モスクの入り口、壁などは、タイルの上に流麗な書体でコーランの言葉が刻まれていますね。

●リスナーより

今回お聞きしました特別番組、「書の花嫁、ペルシャ書道が醸し出す幻想の世界」で。イランにも書道があることを初めて知り、大変驚きました。筆や紙は日本のものとは違うようですが、「書の花嫁」といわれるほどのその美しい書体を一度間近で見てみたいという衝動に駆られました。そもそもの話ですが、イランの人は普段、どういった筆記用具を使用し、そのうち書道をされる方はどれくらいおられるのでしょうか。シャープペンシルやボールペン、マジック、鉛筆、消しゴムといったものは日本と同じように普及しているのでしょうか。また、イラン独特の変わった筆記用具はありますか。

●ラジオより

(北川)イラン独特の筆記具といえば、イランの書道で使う葦ペンでしょうか。これは葦を斜めに切って作られたもので、文字の太さや細さを調整できるような形になっています。とはいえ、日常生活で使用する、ボールペン、修正液、マジック、鉛筆、消しゴムは、日本と同じです。ただ、これはあくまで私個人の印象なのですが、あまりシャープペンは見かけませんね。福本アナ、イランでシャープペンを見かけたこと、ありますか?鉛筆かボールペンの2択、という印象があります。いかがでしょう?

(福本)あぁ、そうですね。北川さんの場合、身近で小学生、中学生といった比較的年齢の低いお子さんたちと接する機会はあまりないでしょうから、そういう感想になるのでしょうね。確かにイラン人社会で使用される筆記具といえば、圧倒的にボールペンですよね。それも黒ではなくて青色の。でも子供たちはシャープペンも使っていますよ。文房具屋さんに行ってもシャープペンのスペースがちゃんと確保されています。確かに学校の授業で使用するのは、小学校低学年の子どもたちであれば鉛筆、そして3、4年生からはもうボールペンをノートの筆記に使うようになるんですね。青、黒、赤と三色揃えて、もちろん修正液も必要です。息子が小学生の頃、新学年を迎えるにあたって、学校から「文房具は何々を揃えるように」って、リストが渡されて、ボールペン、修正液と書いてあったのには少々驚きました。でも例えばフランスあたりでも小学校からノートの筆記は青いボールペンを使っているようですから、イランが特別、というわけでもないようなんですよね。

●リスナーより

久しぶりに貴局を聞きました。オリンピックでイラン選手もがんばっていますね。応援しています。

●ラジオより

(北川)私はオリンピックの時期、テレビもなく、また、雑事で忙しかったため、大まかな結果しか知らないのですが、福本さんにとって、今回のリオオリンピックで思い出に残ることというのは、なんでしょうか?また、応援していた選手、印象的なシーンについてもお教えください。

(福本)リオデジャネイロオリンピック、何だかあっと言う間の17日間でした。開催地のリオデジャネイロとイランの時差は7時間半なんです。イランの方が7時間半早いわけですね。ですから、テレビ中継される時間帯が深夜から早朝にかけて、というケースが多くて、とにかくこの時期睡眠不足になっておりました。日本選手団の活躍はもう皆さんよくご存知でしょうから、ここで繰り返すことはしませんが、私は夫がイラン人ですので、とにかく日本もイランも頑張れ、という気持ちで見ていました。印象に残っているのは、男子重量挙げの105キロ超級のサリーミー選手ですね。下の階級で早々とイラン人選手2人が金メダルを獲得して、「さぁ、世界一の力持ち、105キロ超級でも金メダルを!」と本命視されていたサリーミー選手です。2回目の試技で見事持ち上げた、審判も「成功」のサインを揃って出した、それなのに、その判定が覆されて、最後の3回目、サリーミー選手はバーベルを頭上に持ち上げることができませんでした。直後のインタビューでは、ひたすら「申し訳ない」という言葉を涙ながらに繰り返していたサリーミー選手でしたが、イランの人たちはそんな彼を金メダルを獲得した以上のねぎらいの言葉で迎えていたのが印象的でした。あともう一人、女子テコンドーで銅メダルを獲得した、キーミヤー・アリーザーデ選手。イラン人女子選手として、イランに初のオリンピックのメダルをもたらした快挙には心から拍手を送りたいと思います。まだ18歳ということですから、次の東京オリンピックでも活躍していただきたいです。

●リスナーより

8月20日朝は良好な受信状態でした。アメリカの禁酒法時代にソーダとかコーラとかの炭酸飲料の発展があったというはなしをききました。イランでは炭酸飲料はありますか。

●ラジオより

(北川)イランの炭酸飲料は充実しています。コーラやソーダだけでなく、フレーバーつきのファンタも見かけます。イランでは面白いのは、国産のザムザムコーラやエラムコーラといったものが見かけられること、そして、ドゥーグという、塩気のある炭酸のヨーグルトドリンクがあることでしょうか。また、ノンアルコールビールも、国産も、外国産も、さまざま見かけます。福本アナ、こういった炭酸飲料、食卓で日常的に飲まれているんですよね。

(福本)イラン人の食卓に登場するメイン料理というのは、どれも油を比較的多く使用していますよね。また大皿に山盛りにして出されるごはんも、塩と油をそれなりの分量入れて一緒に炊いたものです。私もイランに来た当初、甘い炭酸飲料が普通に食卓に出されているのを見て驚いたものですが、こうした炭酸飲料、実はイラン料理には大変相性が良いのです。10何年も前にイランに来た当時は、そうした炭酸飲料の種類も限られていましたが、今や企業努力で、本当に様々のボトルデザイン、フレーバーのものが出回っていますよね。新製品が発売されるたびに、それらの味を楽しんでいます。ただ、やはり摂取カロリーはどうしても高くなってしまいますから、我が家でもメインに飲んでいるのはミネラルウォーターなのですが。

インタビューコーナー:

今夜は、大阪大学の大学院の修士課程に在籍中の西川優花さんにインタビューを伺いました。自然環境や生活環境問題をご専門とする西川さんは、昨年の10月から、語学研修という形で、テヘランのペルシャ語研究・教育機関、ロガトナーメ・デホダーに留学し、また現地の人たちとの交流の中でペルシャ語を研鑽されました。

●リスナーより

今日の放送で最も興味深かったのは、「装丁芸術」を扱った「伝統工芸 イランの文化遺産」です。イランに紙が紹介されたのは8世紀だそうですね。紀元前に中国で発明された紙が8世紀にイランにもたらされた経緯はそこでは語られませんでしたが、装丁によって本が製本されるようになったということは、イランではそのときからさまざまな情報が本の形になって蓄積され、そして羊皮紙やパピルスなどよりもはるかに容易に保存され、持ち運びができるようになったことを意味しています。活版印刷技術の発明以前は、本は人が手で書き写していたということを思うと、本がどれほど重要なものであったかは明らかです。本はやはり宝石のように美しく装丁する必要があったのですね。

●ラジオより

(北川)私もどこかの博物館でイランの美しい装丁された本を見たことがあります。特に金箔がちりばめられた鮮やかな挿絵のあるイランの本は、本当に宝石のような美しさを持っていると思います。今後、資源の問題から紙がすくなくなり、紙の本が少なくなると、そういう装丁技術もまた盛んになる時代が来るのかとも思います。

ちなみに世界史などでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、イスラム世界に紙が伝わった経緯については、751年に中国の唐と、当時イラン近辺を支配していたアッバース朝の戦争の結果、アッバース朝が勝利し、アッバース朝勢力に捕らえられた中国側の捕虜の中で、紙の作りかたを知っていた人物がいたことで、イスラム世界に紙が伝播したという話があります。