保護者は子供が社会性を身に付けていく大きな要因となっています。また、この責務を担う上で、家庭に加えて様々な組織や機関も存在しており、そのうちの１つが学校などの教育機関です。

教育や育成は、どこの国においても教育システムや、児童青少年の人格の成長に最も効果的で重要な役割を担っています。人格の形成に注目する必要性や、児童生徒の心と体の教育の重要性により、この重要な問題は教育システムの主要な機能の１つとされています。現代の世界では、教育が極めて重視されてきており、多くの社会学者は、成功を収めている社会の構造においては教育が最も重要であると考えています。

教育の一般的な機能の１つは、児童青少年に社会性を獲得させることです。自分のことが自分でできること、自分の存在感の提示、独立、自己概念、競争、協力、同胞愛、アイデンティティの探求、善悪を区別する力、社会的な人格の形成に関わるそのほかの数十の要素を含めた社会的に主要な教育は、こうした就学年齢期に行われます。これについて、社会性の獲得のプロセスは家庭から始まりますが、それは学校教育において安定し、方向性を見出すことになります。

教育システムは、教師をはじめとする教育現場の担当者を含めた教育システムと保護者との建設的、二元的な交流の中にあります。家庭をはじめとするそのほかの社会組織との連携がとれて初めて、教育の最終的な目的が実現されるのです。有能な教師の教育や、家庭と学校の連携といった教育の舞台に対するあらゆる投資は、最終的な結果に相当な影響を及ぼします。

私たちは誰もが、教養のある健康な子供を持ちたいと望み、子供が自分の能力を最大限に発揮して生活できるよう支援したいと考えています。子供は自由放任の状態に置かれると、自分の年齢にふさわしい成長を遂げることができなくなります。学校などの教育機関は、子供が社会性を身につける上で重要な役割を果たす、最も重要な機関です。言い換えれば、学校などの教育機関は初等教育課程から卒業までの時期において、社会性という要素の１つを学習させるという使命のもと、子供たちに平等な機会を保証する機関ということになります。このため、適切で優れた学校を選ぶことは、子供が社会への適応能力を身につけるプロセスにおいて重要な役割を果たしうるといえます。

一般的に、社会性は模倣、教育、動機付けの３つの主要なルートにより学習されます。模倣とは、他人やほかの集団の価値観やものの見方、行動様式をモデルとして真似ることです。青少年期には教師や同じ年頃の友人が模倣の重要なよりどころとなるため、教育環境は特に重要視されています。もっとも、適切な行動の意図的な学習は教育の大半は正式な教育を受けることにより行われ、またわずかながらも職業訓練といったそのほかの活動や研究、議論を行う集団による非公式の教育によっても実現されます。

学校は、単独では決して人間を教育する手段とはなりえず、その機能は家庭や集団、メディアといった、社会性の獲得に関係する組織や社会的な要素の影響により完成されるべきものです。一方で、社会性を身につけさせる学校などの機関の主要な目的は、ニーズを満たし集団的な目標を達成するための連携や、時宜をわきまえることができるよう、児童や生徒を社会に有益な人材となるよう準備させ、社会に適応させることにあります。

学校では、子供に一般教科を教える一方で、すべての側面からの社会的な教育の下地が拡大するよう、時代に即した先進技術や保健衛生の教育、役割練習、責任感の受容、集団的な作業に触れさせるといった、そのほかの形式の教育もなされる必要があります。青少年期に意欲を高めることも、社会性の習得や正しい人生行路を選択する上で、大きな効果があります。

精神科医は、児童青少年が何かと弊害を受けやすいことの理由として、生活技術の習得プロセスが完成していないことや、彼らの年齢的な条件を挙げており、そのために児童青少年が将来的に身体的、精神的な弊害を受けないよう、彼らに保健衛生の問題や社会的なスキルを学習させることが優先されるべきだとしています。いずれにせよ、新世代の人々を社会に適応させるため、価値観や趣向、文化的、社会的な慣習の継承教育が行われています。社会性の基本は、人間は一人では決して生存できず、社会的な教育を通して１人の人間になる、という事実に基づいているのです。