3月 01, 2017 20:07 Asia/Tokyo

水は文明が形成されるうえで最も重要な要素だったと言えます。古代文明は、ナイル、チグリス・ユーフラテス、インダス、黄河などの大きな川の傍らに生まれました。

その最大の理由は、農耕に水が必要だったことで、農耕は人間の定住後、食料の確保において大きな役割を果たしてきました。

 

イランの人々は、昔から、生きるために不可欠な水の価値を重視してきました。人類の水の必要性、イラン高原の地理的な状況、この貴重な水の不足により、イラン人は常に、カナートなどの灌漑技術を利用してきました。

バルブ

 

今日、人口の増加により、清潔な飲料水を確保することは大きな重要性を有しています。水を合理的に利用するための様々な手段や道具を確保するための努力により、バルブをはじめとする関連産業は大きな変化を遂げてきました。

 

バルブは、液体や気体の流れを調節するための器具です。この器具は、配管に接続して液体や気体の流れを制御したり、その量を調節したりするためのもので、水道の他、冷房や暖房システム、発電所、ダム建設、石油・ガス・石油化学産業などにも用いられています。

 

バルブ産業は、現代の世界において、高い機能を持つ重要な産業のひとつです。都市生活の拡大、生活スタイルの変化、所得の増加、そして何より、建設事業の拡大が、この産業の発展を促してきました。現在、バルブ産業は、建物の内装を美しく見せるという点から、建築産業の重要な要素となっています。

 

 

バルブの利用の歴史は古代にさかのぼります。歴史資料によれば、紀元前700年、水を家庭や噴水に届けるために、水道管や水栓金具が使われていました。この水道管や水栓金具の質は、時代によって異なっています。過去には、陶器、大理石、金、銀などが、通常、風呂場や公衆浴場に使われていました。また、木が使われていたこともあります。現在では、真鍮が多く使われています。

 

イランのバルブ産業は、半世紀以上の歴史があります。最初の工場は、1963年に設立されました。現在は300を超える会社が、この分野で活動を行っています。これらの会社は、近年、イランにおけるこの産業のニーズを確認し、現代の技術に沿った形で製品に変化を加えることで、技術的な製品を市場に送り出すことに成功しています。

 

バルブ産業は、イランの一部のナレッジベース企業が、開発や改良に向けて活動を行っている分野のひとつです。電磁バルブは、これまでに利用されてきたバルブに新たに加わったバルブの一種です。

バルブ

 

電磁バルブは、高い技術を有する製品のひとつで、現在、イランで製造されており、その技術は完全に国産のものです。外国製のものと比較して、イラン製のものは、水資源の不足というイランの環境上の特徴に適したものとなっています。

 

電磁バルブの最大の特徴は、水の消費を70%まで抑えられることです。また、普通のバルブに比べて、建物の上の階の水の圧力の減少を抑えることができるように設計されています。これまでに、イランでは、水の消費を抑えるためのこの種の設備やバルブが16種類、製造されており、トイレや台所、実験室、病院、手術室など、さまざまな場所で利用されています。

 

イランでは、水栓金具の部品のほとんどは国内で製造されています。水栓金具は水と接触するため、90度以上の温度にも耐えうる素材を選ばなければなりません。また、有毒な物質が部品に含まれていてはならず、飲料水の質、見た目、色、におい、味が変わるようなものであってはなりません。

 

この他、水栓金具は、人間の健康を脅かす、細菌の繁殖を促すものであってはなりません。そのため、その製造には、消費者の健康に被害を及ぼさないような合金が使われています。

 

イランには数多くの鉱山があるため、多くの原材料が国内で手に入ります。水栓金具についてもそれが当てはまり、この産業に必要な原料の90%がイランで生産されています。

 

イランのバルブ産業の関係者は、国内の市場だけでなく、その製品を国外にも輸出しています。近年、数千トンの製品が、ペルシャ湾岸諸国、中央アジア、北アフリカ、シリア、レバノン、ヨルダン、アフガニスタン、イラクなど、さまざまな国に輸出されています。

 

一部のイランのバルブ生産工場は、国外の市場を視野に入れています。つまり、これらの工場は輸出を基盤に活動を行っており、国際基準を満たす形で、製品を世界の市場に提供するための土台を整えています。

 

イランのバルブ産業は、工場の製造能力、製品の質や価値を考慮した上で、今後3年から5年以内に、輸出量を1億トンまで増加しようとしています。