3月 13, 2017 16:41 Asia/Tokyo
  • シードヴァル湿原(画像)(動画)

今回の番組では、イラン南部ペルシャ湾に浮かぶシードヴァル湿原をご紹介いたしましょう。

イラン南部にあるペルシャ湾は、面積23万平方キロメートルを超え、数十の大小の美しい島が浮かんでいます。その島には、ラーラク、ホルモズ、ゲシュム、キーシュ、ラーヴァーン、ヘンガーム、ハールク、アブームーサー、大トンブ、小トンブがあります。

シードヴァル湿原

 

ペルシャ湾の島は人が住んでいる島もあれば、無人島もあります。シードヴァル島は、ペルシャ湾岸から9キロ先にある最も本土に近い島です。現在この島は無人島ですが、南東部の石の遺跡は、かつてここに人が住んでいたことを物語っています。シードヴァル島の海岸とサンゴ礁は、湿地の保存に関するラムサール条約に登録されています。

地質学の点で、シードヴァル島はザグロス山脈のしゅう曲の一つとなっています。この島はサンゴ礁が積み重なってできた島で、その海岸地域の多くは岩でできています。島の標高の最高は8メートルです。南東部には壊れた岩や非常に大きな石の崩れ落ちたものが、山のように積みあがっています。またシードヴァル島の海岸は細い砂の帯のようになっており、北東部まで続いています。

シードヴァル島は、ペルシャ湾の最も貴重で、類のないサンゴ礁の島のひとつです。日没の際には海岸が黄金に染まるのを見ることができます。この島はアジアで最も重要なさんごの生息地です。

シードヴァル湿原

 

これまで70種類のサンゴ礁がペルシャ湾で確認されており、およそその半数が、イランの領海で見られます。シードヴァル島のサンゴ礁の面積は注目に値します。この島は天然資源の保護に関する国際連盟の最も重要なサンゴ礁のリストに登録されています。シードヴァル島の傍らにあるサンゴ礁は、ペルシャ湾における最良の真珠生産地の一つとなっています。

シードヴァル島の植物は、多様性には欠けますが、密集しているという点では豊かなものとなっています。地域の植物の多くは、塩水と砂を好むものとなっています。

島の一部の地点では、植物の密集度が100%に達し、往来ができないほどとなっています。

シードヴァル湿原

 

現地の人はシードヴァル島を、蛇が生息していることから、蛇の島と呼んでいます。この蛇は有毒で黒色、小さな蛇で、この島で多数見ることができ、通常砂の下に隠れています。これまでこの島では陸地に住む哺乳類は確認されていませんが、クジラやイルカといった海洋の哺乳類は沿岸に生息しています。

シードヴァル島は鳥類の楽園として知られています。この島は鳥類に関する国際機関から中東で重要な鳥類の地域のひとつに登録されており、環境保護機関によって生物の避難所として管理されています。

シードヴァル湿原

 

シードヴァル島ではこれまで10種類の鳥類が確認されています。生息地の安定、手つかずの自然、安全性が、渡り鳥をこの島に引き付ける基本的な要素と見なされます。

この地域は鳥類、特に海燕にとって多くの重要性を有しています。昔からこの島はイランで鳥類が子を産み育てる最大の場所となってきました。渡り鳥がやってくる時期には、この島は雛を孵し、育てる海燕であふれます。

毎年4月、海燕は島に入り、産卵し、雛を孵した後、夏に島を去ります。海燕が群れになって飛ぶ様子は島の美しい光景の一つであり、本土から離れているという地理的な条件にもかかわらず、多くの団体がこの美しい現象を見るためにこの島を訪れます。

シードヴァル島は、さらに、ウミガメの産卵地として重要な地域となっています。島の穏やかな海岸は春になると亀や海燕の産卵のための場になります。

この島は、無人島で、耐え難い暑さであるにもかかわらず、鳥類やウミガメ、そしてサンゴ礁に関する研究のための適切な場所となっています。

 

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