10月 12, 2017 22:57 Asia/Tokyo

中:10月に入って先週末雨が降ってからぐっと涼しくなりました。イランの北部では初雪が観測されたそうです。

首都テヘランは湿度が低いので、雨が降って、風が吹くと天然のクーラーのようになりますよね。これから、雨が降るたびにどんどん気温が下がって、雨が雪に変わると冬の到来となります。町のスーパーでは一足早く、大根が売られていました。鍋料理が楽しみな時期ですね。

芝:そうですね。本当につい最近まで、昼間は半そでで過ごすことができていたのに、雨が降って一気に冬になってしまったようです。テヘランの北にそびえるアルボルズ山脈の奥の方の山の頂に、雪が見えました。私は大根はまだ見ていないんですが、体の温まる料理が食べたいですね。それくらい寒くなりました。

中:本当にそうですね。さて今日最初のお便りです。

 

リスナーより  

  テヘランの天気はほとんどが晴と報じられていますが、日本列島は不順な天候で一部の野菜は日照時間の不足のため不作となっています。東京のスーパーではネギの一本買いもできるそうです。また、サンマやするめいかも外国漁船を含む大量水揚げのため、小型化している上、値上がりが続いています。

 

●ラジオより

中:秋の味覚のサンマが値上がりとは、悲しいですね。さて、テヘランは夏の間、天気予報を見る必要がないほど晴れが続きますが、さすがに10月に入って、雨が降ったりしました。日本、特に関東では今年の夏は日照不足が言われていましたよね。さすがにイランでは日照不足で野菜の値段が高騰というのは聞きませんね。

芝:そうですね。イランでは、以前に、北部のカスピ海沿岸の地域で雨が続いたときに、やはり野菜が不作で値段が高騰したと聞きました。洪水などが起きて水浸しになり、収穫が思うようにいかなかったそうです。本当に、イランは日照不足というのはなかなかなさそうですよね。まず夏の間は雲が少ないですし。

中:そうですよね。私は季節の変わり目に雹が降って、野菜に穴が開いてしまったり、果物が木から落ちたりして品不足になったというのをよく聞きます。もしテヘランで日照不足になったら、それこそ天変地異ですよね。

さて、東京のスーパーではネギの1本買いができるそうですが、イランでも大手のスーパーでは、自分で選ぶことができるので長ねぎ1本だけ、と言う買い方が可能なのですが、ばらすことのできない、セロリ、あれは困りますよね。

芝:私はやってます。近所の八百屋さんは顔見知りなので、もう、セロリを一本だけむいて持ち帰っています。1本でも一人では多いくらいですし、毎日帰宅途中に通る八百屋さんなので、そこで買い物をするたびに1本、取っています。その場合はただでくれます。他のところで代金をとられているのかもしれませんが。とにかくイランは、野菜や果物が量り売りされていて、みんな大量に買っていきますよね。

中:そうですよね。市役所が経営している安い市場が地区ごとにあるんですが、そこで買い物をすると、多めに入れられるので、みんないかに希望通り入れてもらうかの攻防戦ですね。3㎏ほしいときは1㎏と、少なめに言ってみたり、お金を持ってきてないと言ってみたり、知恵比べです。

それから、イランではご近所さんからのお裾分けをいただくことがあるのですが、野菜をたくさんいただいたときは、さすがに食べきれなくて、親戚に配って回りました。芝田さんは、同じマンションの人からたくさん頂き物をしたときはどうしていますか?

芝:私はほとんどそういうことがないですね。私の建物に住んでいる人たちは一人暮らしが多いからでしょうか。それでも、大切な人の何回忌、というときに、弔いのためのお菓子などをいただくことがあります。それは一人では食べ切れなくて、職場に持ってきたことがありました。

中:そうですね。イランでは、命日だけでなく、毎週木曜日も死者を悼む日で、知り合いだけでなく、通りを歩いていてもお菓子やナツメヤシをもらうことがあります。もらったら、亡くなった人の冥福を祈る言葉を言うのが礼儀ですよね。

●リスナーより  

 治安がよいとお聞きするテヘラン市ですが、さすがに夜間の、女性や子どもの一人歩きはやめたほうがいいですか。

 

●ラジオより

中:芝田さんは、当然暗くなってからの一人歩きをされていると思いますが、何時くらいまで一人歩きをしたことがありますか。

芝:そうですね。近所だけだったら、結構10時を過ぎても歩くことがあります。もっと遅い時間に車で買い物に出かけることもありますが、12時近くになっても、家族連れですけれど、歩道をのんびりと歩いている人を見かけることがあります。イラン、というかテヘランではそもそも、歩く、という行動が日本に比べて少ない気がします。特に商業施設のない住宅街だと、歩いている人そのものを見かけることが、日本に比べて少ない気がするのですが、どうでしょうか。夏の間は、9時近くまで明るかったので、家の近くの公園にウォーキングに行っていたのですが、最近は6時には暗くなってしまうので、ちょっと家にこもる時間が早まりそうです。

中:私の大学生の娘は朝一番の講義に出るには、家を朝の5時半には出なければいけないのですが、当然外は真っ暗です。また、帰りも最後の講義が終わるのが7時過ぎというのがあってこれまた、暗い中を帰ってこなければなりません。心配と言えば心配なので、公園の中を突っ切ったりしないように、街灯のある住宅地を通るようにとは言っていますが、幸い今まで怖い目に遭ったことはないそうです。ご近所さんの娘さんは朝一の時は大学まで親に車で送ってもらっているそうですが、まあ、家によって対応は違いますよね。それから夜になってのゴミ出しは息子の役目なのですが、これもまあ今まで何事もなく済んでいます。今はスマホがありますから、どこにいるか、連絡を取りながら一人歩きをさせています。

芝:そうですね。暗い場所だと、日本でもイランでも怖いですよね。それにしても、大学まで親に来るまで送ってもらうとは、とても贅沢な通勤(通学?)スタイルではないですか。

中:箱入りなんでしょうね。

 

リスナーより  

 番組の感想では「文化の夏」を拝聴させていただき、前半で貴国では、子どもたちに読書を推奨していること、テレビの普及やその影響について、また読書普及率がどの地域が多いのかについて知ることができましたが、テヘランなどの大きな都市は、やはり上位に入っていると感じました。日本では、活字離れや出版不況が盛んに言われていますが、このあたりについて貴国ではどのようになっているのかについて伝えてもよかったような気がします。また日本の新聞では日曜の記事に、本についての記事があり、売り上げの週間ランキングが掲載されていますが、貴国ではいかがでしょうか。

  

ラジオより

中:私は新聞を読まないので分かりませんが、イランの新聞では、書評や、本の売り上げランキングは掲載されていますか。(ごぞんじですか?)

芝:私も新聞はあまりきちんとは読まないのですが、本の紹介などがたまにされているのを見たことがあります。売り上げランキングはどうでしょうか。記憶にある限り、見たことはないですね。

中:イランでも電車やタクシー、バスの中ではスマホでSNSを見ている人が多いのですが、スマホが登場する以前も、あまり本を広げている人はいませんでしたよね。

芝:そうですよね。最近はほんとうにみんなスマホを見ていますよね。先日は、レジの人がメッセージを打ち終えるのを待ってお会計をしてもらえた、なんていう出来事もありました。交通機関で新聞や本を読んでいる人には、本当にまれにしかお目にかかれませんよね。

中:テヘランにはこれまで大型書店がなかったのですが、最近Tehran Book Gardenという大きな本屋さんができたそうです。一度見に行きたいと思っているのですが芝田さんはいらしたことはありますか?

芝:これは先日、ラジオ日本語の「文化の夏」という番組でご紹介しましたよね。翻訳をしながら、興味深いな、行ってみたいな、と思っていたのですが、大人と子供が一緒に楽しめると書いてありました。高速道路にも行き先を示す看板が設置されました。私も近いうちに、ぜひ、訪れてみたいと思います。

中:さて、毎年テヘランでは国際書籍見本市が開かれているのですが、ここではたくさんの出版社が一堂に会して、たくさんの本を買うことができます。うちの娘もお小遣いを貯めて、買いに行っています。見本市では本が市価よりも安い値段で買えたり、読書案内のパンフレットがもらえたり、おしゃれなしおりももらえたりするそうです。一度、他のブースの方が安かったと言ったら、もっと値引きしてくれたと言っていましたので、交渉次第ではもっと安くしてもらえるのかもしれません。