イラン年間国際図書賞(音声)
イランのイスラム革命勝利記念週間に合わせ、年間国際図書賞と年間イラン図書賞の授賞式が開催され、それぞれの賞が、イラン大統領により、授与されました。
イランの年間最優秀図書賞と年間国際図書賞は、全国の作家や翻訳者、出版社の活動を奨励し、国際レベルでの文化的なアイデンティティと独立を保ち、文化の向上を目指して開催されました。ここで、IRIB通信の報告をお聞きください。
「イラン年間図書賞の選定では、2500人の審査員が作品を評価した。今年はおよそ5万5000タイトルのうち、255作品が次のステージに進んだ。これらの作品は、全体、哲学、心理学、宗教、社会学、言語、芸術、文学、歴史、地理などの11のテーマで審査された。それにより、28の作品と13の翻訳作品、2つの改訂版が最終ステージに進んだ」
イラン年間図書賞は、1956年、イランの文化や学術の功労者を奨励する目的で、初めて授与されました。このときから毎年、すべての作家や翻訳者に対し、初めてペルシャ語で出版された本の募集が行われています。この賞は、1978年まで、科学技術、文学、人文学、社会学、青少年の教育の分野で贈られました。
1978年、イスラム革命につながった情勢の変化により、この授賞式は中断され、7年後の1985年に再開されました。その後、毎年、革命記念週間に授賞式が開催されています。
このコンテストの開催の目的は、優秀図書を紹介すること、社会の書籍文化や知識レベルを向上させること、文化的なアイデンティティや独立を維持すること、イランの本の文化に関わる人々の活動を奨励することとなっています。
優秀図書の選考基準には、イランの文化的、学術的なレベルの向上への貢献、テーマの斬新さ、構造における基準の遵守などとなっています。さらに、本の内容や学術的な価値、文化、宗教、道徳に関する価値観の遵守、読者への影響力も、選考基準となっています。
イランのペルシャ語・ペルシャ文学アカデミーの会員で、作家、翻訳家であるタバタバイー氏は、年間図書賞について次のように語っています。
「この賞は重要であり、肯定的な影響があるのは間違いがない。この賞は、この分野で活動する人々、特に若者たちを奨励するもので、質と量の点から有益である。つまり、本の執筆や翻訳を人々に奨励すると共に、その質にも影響を及ぼす。なぜなら、この賞は、もしよい本を書けば、社会に注目され、称賛されるということを知らせるからだ」
イラン年間最優秀図書賞と年間国際図書賞の授賞式は、イランのローハーニー大統領が出席する中、テヘランにあるヴァフダトホールで開催されました。
イランのサーレヒー・イスラム文化指導大臣は、この式典で次のように語りました。
「イランのイスラム革命は、作家と共に世界に現れ、街頭は本で埋め尽くされた。革命のとき、街頭は本で埋め尽くされた。革命は、その存続において本を必要としている。本は、我々と学問、文化、技術、宗教を結びつけるものである。イランの社会的な発展は本と結びついている。本は原油の埋蔵と同じである。本は、学問、独創的な文化、生き生きとした芸術、知識に基づく宗教である。持続可能な開発を望むのであれば、よい本とよい本の読者が必要である。イランの年間図書フェスティバルは、本の文化を愛する人々のものである」
年間国際図書賞は、年間イラン優秀図書授賞式と同時に行われました。この賞は、イランとイスラムの2つの分野の図書を紹介する目的で、執筆本、翻訳本、改訂版の3つの部門で授与されました。
2016年には初めて、イラン以外のさまざまな国でその国の言語で出版された本が審査の対象となりました。それらのテーマは、イスラムの協議や歴史、コーラン学などを含む、イスラム研究に関するものです。さらに、神秘主義、イスラムにおける学問の歴史、イスラムの文明と文化、イスラム経済、イスラム建築などをテーマにした本も、今回のコンテストに出品されました。
もうひとつのテーマは、イラン研究です。この分野では、イランの言語や言語学、学問の歴史、ペルシャ語の詩や文学、イランの歴史、古代のイラン文明をテーマにした本や、イラン人学者の本の翻訳といった作品が出品されました。
年間国際図書賞の事務局には、2000タイトル近い本の応募があり、200作品が70人の審査員によって審査されました。その結果、22作品が最終選考に残りました。
年間国際図書賞の応募作品には、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、アラビア語、イタリア語、トルコ語、ウルドゥー語、フィンランド語、ボスニア語、ギリシャ語、セルビア語などがありました。最終選考に残ったのは、ドイツ、フランス、アメリカ、インド、ブルガリア、イタリア、スイス、スウェーデン、イランの作品でした。