4月 19, 2018 19:33 Asia/Tokyo

イランの為替市場について分析します。 南パールスガス田の情報です。 イランのザリーフ外務大臣が、アフリカと南米を訪問しました。 イランの道路・都市開発大臣が、パキスタンを訪問しました。

先週、イランの為替市場は大きな変動に見舞われました。この時間は、この問題から見ていくことにいたしましょう。

 

 
多くの憶測の末に、先週、政府は、ジャハーンギーリー第一副大統領から、単一為替レートの設定を発表しました。専門家は、この措置は、現在のイランの為替の変動を阻止するために不可欠なものだったと分析しています。

 

為替レートの変動に関する最も重要な問題は、この変動が、イラン全体の需要を構成する製品の真の価値や真の生産活動に影響を及ぼすことです。為替レートの変動は、生産だけでなく、各家庭の生活必需品、民間の投資、非石油製品の輸出や輸入に影響を及ぼします。セムナーン大学の経済学教授である。アブドルモハンマド・カーシヤーン氏は、タスニーム通信のインタビューで次のように語っています。

 

「為替市場の変動は、直接、人々の生活や経済活動に影響する。もしこの市場が深刻な変動に見舞われれば、その影響はすぐに、経済市場に現れる。その主な原因は、国内の生産品や国民が使用する製品の大部分が、輸入によって賄われており、外貨の価値が上昇すれば、実際、輸入品の価格の上昇に直接影響し、国内の製品に間接的に影響を及ぼすことになる。それは、イランの停滞した経済状況にとって好ましいことではない」

 

この経済専門家によれば、ドルの価値の上昇は、マイナスの影響とともに、国内の市場にはプラスの影響も働きます。その一つは、輸入の減少と輸出の奨励です。また、石油のドルによる売却で、政府の収入が増加します。それにもかかわらず、そのプラスとマイナスの影響を比べると、マイナスの方が大きく、外貨の価値の上昇は、通常、生産レベルにマイナスの影響を及ぼします。一方で、為替レートを低く抑えることは、誤った政策であり、それを長期に渡って続けることは、通常、不可能です。そのため、インフレ率の目標設定や経済成長に基づき、中間のレートを設定することは、より合理的なことであると見なされます。

 

イラン暦昨年の末にあたる、3月頃から、為替市場でドルの価格が異常に上昇し、それが新年に入ってからも続いたことで、イランの投資市場は大きなショックに直面しました。この間、ネット空間の情報によってさらに懸念が高まりました。

 

このような状況の中、経済以外の要素により、国の通貨の価値が下落しました。そのため、中央銀行の関係者や、政府の経済関係者の決定により、多少、遅れた感は否めないものの、イランの経済を混乱から救うことができました。

 

イラン中央銀行のセイフ総裁は、今回の中央銀行の決定は、原則的で確かなものだと強調し、このように語っています。

 

「このモデルは、敵の経済的な脅威に対して我々の力を強化するものだ。我々は長期的な視点を持っており、その視点は経済の安定にある」

 

セイフ総裁はまた、1ドル4200トマンという単一為替レートの設定について次のように語っています。

 

「状況を踏まえた上で、今回の決定が下された」

 

貿易振興機関のホスロータージ理事は、今回の決定は、違法な活動を阻止する目的で下されたとしています。

 

これまでの経験が示しているように、断固とした対応を取らなければ、投資の展望が短期的になり、決定のプロセスに混乱が生じ、今後の計画が立てられず、中央銀行も信用を失墜することになります。

 

イランの国会議員で、国会予算計画委員会理事会のメンバーであるガヴァーミー氏はこのように語っています。

 

「単一為替レートの採用の機会を活用しなければ、それが弱点になり、別のレートが生まれる可能性がある」

 

このことに注目し、最近の政府の決定は、実際、経済環境を管理する上で下された、可能な限りの最良の方法だったと言えます。

 

今週、イランと世界のエネルギーの中心地である、南パールスガス田に関するニュースが発表されました。

 

イラン国営石油会社の発表によれば、今年、南パールスの13、22、23、24フェーズが完全に稼働を開始することになっています。そうなれば、イランのスイートガスの生産量は、およそ8000万から1億立方メートルから、6億3000万から6億5000万立方メートルに増加することになります。

 

世界銀行は、最新の報告の中で、イランの石油埋蔵量は、155年先まで存在すると予想しています。この報告によれば、イランはベネズエラ、リビアに次いで3番目に石油の埋蔵量を保つ国となっています。

 

イランのザリーフ外相は、経済外交に基づき、先週、アフリカ・南米諸国を訪問しました。

 

ザリーフ外相はこの訪問をセネガルからスタートし、その後、ブラジルとウルグアイを訪れました。また、テヘランに戻る途中で、ナミビアを訪問しました。この訪問には、政府、民間部門のナレッジベース企業、金融、経済、貿易分野の数十社の関係者が同行しました。

 

セネガルの首都ダカールでは、セネガルの貿易大臣や、イランとセネガルの経済関係者が出席する中、イラン・セネガル合同経済会議が開催されました。

 

ザリーフ外相はこの会議で、セネガルが西アフリカの自動車製造の中心地となるために、イランがセネガルの政府・民間部門と協力する用意があることを明らかにし、「そのための第一歩は、およそ10年前の自動車製造工場の建設と稼働開始によって歩みだされた」と語りました。

 

 

ザリーフ外相の二国目の訪問先は、ブラジルの首都ブラジリアでした。南米諸国訪問の成果は、イランとブラジルの商工会議所の会頭による経済協力文書など、経済や貿易に関する協力文書が調印されたことでした。

 

ザリーフ外相とその随行団は、その後、ウルグアイの首都モンテビデオを訪問し、政治的な会談を行ったほか、ウルグアイの外相とともに、両国の経済会議に出席しました。

 

最後の訪問先は、ナミビアでした。ナミビア訪問の目的は、両国の協力の可能性の活用と、両国の経済関係者の親睦を深めることでした。この協力の可能性は、石油・天然ガス・石油化学、インフラや都市開発、発電所や住宅の建設、医療、ナノテクノロジー、農業設備の開発といった分野に渡ります。

 

ザリーフ外相は、ツイッターで、今回の訪問は実りの多い意義のあるものだったとし、「多くの協定が調印され、さらに多くの協定が、今後も調印される予定であり、イランは世界中の多くの友好国と、貿易を行う用意がある」と語りました。

 

インド洋とオマーン海の北岸にあるマクラーン地区は、イラン南部のバンダルアッバースから、パキスタンの国境まで広がっています。この地区は、経済活動の発展と投資に適した場所となっています。

 

イランのアーホンディ道路。・都市開発大臣は、今週、地域協力やトランジット協力に関して話し合いを行うため、随行団を率いてパキスタンを訪問しました。アーホンディ大臣は、この訪問で、カラチの関係者と会談し、この地区の港湾設備を視察しました。

 

パキスタンは、ラホール、カラチ、イスラマバードなどに適した空港を有し、イランに観光客を移送する上で多くの可能性を整えています。そのため、パキスタンから、イランのチャーバハール、ザーヘダーン、イランシャフル、ザーボルの4つの都市との往復便を就航することで合意しました。

 

さらに、チャーバハールからカラチへの海上ルートの開設についても計画が立てられ、必要な措置が行われることになりました。