May 01, 2018 20:48 Asia/Tokyo

この1週間の経済に関する主な出来事です。                 

アメリカのトランプ大統領が核合意に関する決定を下すまでの、この合意に関する出来事を見ていきます。

イランとヨーロッパの通商・金融会議がテヘランで開催されました。

チャーバハール港の開発は、イランとアフガニスタンの関係の転換点となっています。

アメリカのトランプ大統領が核合意に関して決定を下すまで、およそ2週間となり、この合意を維持するための政治的な努力が続けられています。

 

トランプ政権の関係者は、アメリカ政府は、核合意を巡る再協議や、その変更を追求しているのではなく、この合意の欠点が解消されるよう、イラン側と補完的な合意に至りたいと考えていると語っています。この時間はまず、この問題からお話ししましょう。

 

一部のアナリストは、トランプ大統領は、核合意に関する決定の今回の期日にも、前回と同じようにそれを維持すると語っています。しかしながら、これまでに明らかになっているのは、トランプ大統領の核合意を離脱しようとするアプローチが、ポンぺオ国務長官やボルトン国家安全保障担当大統領補佐官の指名により、激しさを増しているということです。

 

その一方で、ヨーロッパ諸国の、核合意を救おうとする努力、特にフランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相によるワシントン訪問の展望は、それほど明白なものではありません。これについて、マクロン大統領は、トランプ大統領との会談の後、アメリカは、国内の政策を理由に、この合意を離脱することになるだろうと予想しました。

 

 

マクロン大統領は、「トランプ大統領は、核合意を守ろうとしていないようだ」と語りました。その一方で、マクロン大統領は、フランスは核合意に留まると強調しました。

 

ドイツもまた、アメリカが核合意を離脱すれば、厳しい結果を伴うことになると警告しました。

 

ドイツの外相も、核合意が破棄されるか、アメリカがこの合意を離脱すれば、代わりとなるものは存在しなくなると語っています。イランの政府関係者も、アメリカが核合意を離脱して制裁が復活すれば、イランもこの合意を離脱すると警告しています。

 

アメリカ大統領の混乱を招く政策により、外国の企業や銀行は、イランとの取引に対して不安や迷いを抱いています。では、このような障害を避けるにはどうすればよいでしょうか?イランはこの状況を変えるため、新たな外交に取り組んでおり、外国の政府や銀行を安心させるための直接交渉に入っています。

 

今週、核合意に関する外交と並行して、イランの銀行関係者とヨーロッパの企業の関係者が出席する中、テヘランで、イランとヨーロッパの通商・金融会議が開催されました。

 

ヨーロッパは、イランの重要な貿易相手ですが、核合意の実施から2年、イランの銀行との関係や貿易は、さまざまな問題に直面しています。この2年、その一部は解消しましたが、それでもなお、イランの銀行は、ヨーロッパの大手銀行との協力において、問題を抱えています。

 

イラン銀行金融研究所のディーヴァーンダリー所長は、この会議で、イランとヨーロッパの通商・金融会議が築かれてから3年が経つとし、「核合意後、イランとヨーロッパの銀行の関係は、イランの期待に応えるものではなかった」と語りました。また、イランとヨーロッパのこの2年の銀行取引に関する報告を示し、次のように語りました。

 

「現在イランは、ヨーロッパの企業835社と取り引きを有しており、この2年に3850のLC信用状が発行された。しかしいまだに、イランの銀行取り引きには障害があり、イランの通商を困難にしている」

 

ドイツ駐在のマージェディ・イラン大使は、テヘランで開催されたイランとヨーロッパの通商・金融会議で、「ヨーロッパがドルに対してユーロを強化することができなければ、彼らの貿易活動が問題を抱えるだけでなく、イランなどの国との関係においても、大きな損失を蒙ることになる」とし、次のように語りました。

 

「国連安保理の常任理事国は、拒否権を行使し、国際社会に自分たちの政治的な目的を押し付けている。一方アメリカは、ドルの力と経済的な手段を利用し、世界のすべての国に、自分たちの政策や戦略を押し付けている」

 

イラン商工業会議所のハーンサーリー会頭は、「制裁の影響がなくなり、投資の時が訪れている。欧州委員会の報告によれば、イランとヨーロッパの貿易は、昨年、80%増加した」と語っています。

 

ハーンサーリー会頭は、「ヨーロッパ諸国も、核合意を破ろうとしているのだろうか。彼らはトランプ大統領の利己的な政策に対して、どのような立場を取るつもりなのか、回答すべきだ」と強調しました。

 

ハーンサーリー会頭は、トランプ大統領は、この重要な国際合意を無視することはできないと強調し、「イランは、銀行の関係を確立する用意があるが、それが相手側からも見られる必要がある」と語りました。

 

現在イランは、経済成長に必要なインフラを備えています。これは、投資の絶好の機会です。イランは石油と天然ガスを合わせた埋蔵量の点で、世界一位となっています。

 

IMF国際通貨基金は、最新の報告の中で、イランの2018年の経済成長率は、前の年に比べて3.8%増加すると予想しています。また、2018年のイランのインフレ率は、2017年の10.5%から、10.1%に減少するとしています。

 

世界銀行も、昨年12月の報告の中で、イランの今年の経済成長率は4%になると予想しました。世界銀行の2017年のイランの経済成長率の予想は、3.6%でした。

 

 

ハーメネイー師は、先週木曜、コーラン国際コンテストの出場者と会談し、次のように語りました。

 

「イランは40年、覇権主義者の理不尽な要求に抵抗し、イスラム体制を打倒しようとする敵の動きにも拘わらず、発展を遂げ、国力を増強してきた」

 

イラン南東部チャーバハール港の開発は、イランとアフガニスタンの関係における転換点です。イラン駐在のアフガニスタン大使は、メフル通信のインタビューでこう語り、次のように続けました。

 

「アフガニスタンの政府と民間部門は、チャーバハール港ができるだけ早く活性化することを望んでいる」

 

チャーバハール港は、大洋を航行する船舶の寄港が可能です。チャーバハールは、3年後までに、ザーヘダーンや全国の鉄道網に接続される予定です。

 

オマーン海に面したイラン南東部の沿岸にあるチャーバハールのシャヒードベヘシュティ港の第1フェーズは、昨年、イランのローハーニー大統領と27か国の関係者が立ち会う中、稼働を開始しました。これは、アフガニスタンだけでなく、中央アジア諸国にとっても非常に価値のあるものです。

 

チャーバハールのトランジットに関する3か国の合意は、2016年5月、イランのローハーニー大統領、インドのモディ首相、アフガニスタンのガニ大統領の立ち会いのもと、3か国の道路大臣によって、テヘランで調印されました。

 

2020年までに、年間1600万トンを超える製品が、インドから中央アジアに輸出されると予想されています。インドは、チャーバハール港を通して、自国の製品を中央アジア、コーカサス地方、特にアゼルバイジャンやロシア、そこからリトアニア、エストニア、ベラルーシといった国々に移送することができます。

 

現在、イランとインド、その他の地域諸国の協力に向け、強固な結びつきを確立することが可能になっています。