3月 24, 2016 22:06 Asia/Tokyo
  • 2016年3月25日(福本・山口)

福本: 今夜の金曜広場は、イラン暦の新年が明けてから第一回の金曜広場となりますね。3月20日に新しい年1395年がスタートしたイラン、今日は一月・ファルヴァルディーン月の6日にあたります。


ところで山口さんはどんなお正月・ノウルーズを過ごされましたか。


山口: 実のところ、私はファルヴァルディーンの1日、つまり元日から平常出勤だったんですよ。メディアという職業柄、驚くべきことではないと思うのですが。もっとも、いつもよりは仕事のペースは緩やかですので、かなりゆったりした気分で翻訳業務に当たりました。それと、覚えていらっしゃいますよね。確かイラン暦の大晦日だった先週土曜日は、私たち2人で生放送を担当しましたよね。ですから、年末年始もないような感じがするのですが。ですけれど、忙中閑ありと言う諺もあります。先日からサマータイムが始まったとともに、出勤時間が1時間遅くなったことで、意外なところで時間ができましたよね。その合間をぬって、主人の家族や親戚への年始周りに行ってまいりました。あとは普段なかなか会えない、またはしばらく会っていなかった友人や知人などに電話で新年の挨拶をしまして、久しぶりのおしゃべりを楽しんだというところです。 


福本: そうですか。私も年明けからの数日間は、夫の家族、親戚の家に新年のご挨拶周りに駆け回っておりました。でもまだまだ、こちらから出向いたり、逆に自宅にお客様をお迎えしたり、としばらくはこの状態が続きそうです。


●リスナーより


こちら日本では、日中の時間が長くなり、晴れた日の日差しなどは、もう春がすぐそこに来ているのではないかと感じられるようになってきました。日本には春先のこの時期に三寒四温という言葉が使われますが、イランにもこれと同じような言葉があるのでしょうか。


●ラジオより


福本: O・Kさん、ありがとうございます。さて、山口アナ、イランという国土は日本の4倍強の広さがあって、北はカスピ海沿岸地方から南はペルシャ湾岸の地域まで、今のこの時期に限らずとも、随分と気候が異なりますよね。そんなイランですが、三寒四温のように、一定の時期の気候を言い表すような言葉って、何かご存知ですか?


山口: はい。ご指摘の通り、イランには極地帯の気候以外のすべての気候、つまり、熱帯から亜寒帯までに渡る様々な気候区分が存在しているそうです。そのせいでしょうか、気候風土も一言では説明できないほど多岐にわたります。長年にわたってイラン南西部のアフワーズで生活した経験をお持ちの鈴木悦子アナウンサーによれば、イラン南部では夏の暑さを、ナツメヤシが煮えてじくじくするような状態に例えて、ホルマーパズンというそうです。それから、翻訳担当のジャディディスタッフによりますと、春が近くなって地面に積もった雪が溶けてくることを、地面が息をしている、と言っていたそうです。ですけれど、最近では地球の温暖化の影響でしょうか。雪どころか冬らしい寒さもあまりなく冬が終わってしまうことが多いですよね。それから、イランで季節の変わり目や季節の特徴が一番クローズアップされるのは、やはり冬から春、そして新年と春の始まりが重なるノウルーズでしょうか。このときには各家庭はもとより、イラン全体で祝賀のイベントや慣行儀礼が実施されますし。ところで、今年のノウルーズはテヘランの北方の山が雪をかぶっていましたよね。それを見て、あるイラン人がノウルーゼ・セフィード、すなわちホワイトノウルーズと言っていました。


福本: 今シーズンはノウルーズを前に随分と気温が下がりましたよね。北の地方では、ノウルーズを前に積雪に見舞われたところもあって、テヘラン市民に人気のカスピ海沿岸地方への旅行の途中、「雪で車が立ち往生」といったニュースも流れていました。


●リスナーより


今日は西暦で222日、日本ではニャン、ニャン、ニャンということで「猫の日」になっています。最近はペットで犬よりも猫の方が人気が出てきているようで、猫の愛好家たちの間では大きな盛り上がりを見せているようです。イランにもカレンダーの日付で動物にちなんだ日はあるのでしょうか?


●ラジオより


福本: そうなんですよね。日本ではこうした語呂合わせでの記念日が多いですよね。でもイランのカレンダーですと、こうした語呂合わせ自体が難しいでしょうか?


山口: そうですね、ペルシャ語による語呂合わせというのは、日本語と比べて少ないようですが、お尋ねのカレンダー関連でなければ、全くないこともありません。唯一私が聞いたことがあるのは、掛け算の九九の、はちしち ごじゅうろくをペルシャ語ではハファラシュタ パランゴシシュターというものです。


福本: えーと、通常の言い方では「ハフト ハシュタ パンジャーシシタ」ですよね?


山口: ジャディディスタッフによりますと、これは最初の部分がペルシャ語の7のハフト、そして数字の8のハシュトの2つを言いやすく音便化けしてハファラシュトと読み、パランゴはペルシャ語でヒョウを意味するということです。これは数字の5であるパンジの発音を変化させたもので、シシュターは6匹、ということだそうです。かえって複雑になってしまったかもしれませんが、お分かりいただけたでしょうか?


福本: はい、なんとなく。ペルシャ語にも語呂合わせがあったのですね。語呂合わせを抜きに、動物にちなんだ日というのでしたら、イスラム暦のゼルハッジャ・巡礼月の犠牲祭の日が思い浮かびます。神から、わが子イスマイールを生贄に捧げるよう告げられた預言者イブラヒームが、その神の命令を忠実に実行しようとした正にその時、イブラヒームの真の信仰を目の当たりにした神が、代わりに羊を生贄に捧げるように、と一頭の羊を遣わすのですよね。羊が象徴的に扱われる日ではありますよね。


山口: そうですね。それから羊と並んで、牛やらくだもイスラムの文化やイランの日常生活に密着していることも、ぜひ皆様にお伝えしておきたいと思います。


【インタビューコーナー】


ラジオ日本語のインターネットサイト担当、フーシュファルスタッフに、ラジオ日本語の新しいサイト パールストゥディについて聞きました。


福本:  リスナーの皆様にはサイトのコメント欄やフェイスブックに、どうぞご意見、ご感想を気軽にお寄せください。また、引き続きEメールでの受信報告もお待ちしております。アドレスはjapaneseirib.ir です。


●リスナーより


今日はイランで二つの大きな選挙が実施されていますが、投票率はどのくらいあるのでしょうか?日本の選挙は投票率があまり高くないので興味があります。


●ラジオより


福本: イランでの二つの大きな選挙、これは第10期議会選挙と第5期専門家会議選挙のことですね。選挙が実施されたのは226日のことでしたから、ほぼ一ヶ月前のことなのですね。山口さん、この時の投票率、数字を覚えていらっしゃいますか?


山口: はい、後から聞いたところによりますと、今回は60%を超えていたということです。それから、選挙終了後にその関連のニュースや毎週火曜の「週刊イラン」の番組でだったでしょうか。イランの最高指導者でしたか、政府高官のお一人でしたかが、「今回の選挙の投票率が61%に上ったのは、大きな成果だったと語った」という文言があったと思います。とにかく、政治に対する国民の関心が高い、選挙の投票率が高いというのは、イランの特徴として注目に値するものではないかと思います。    


●リスナーより


イランでもパンを食べると思いますが、日本の調理パンや菓子パンのようなものがありますか?また、日本では、粉をこねて、パンを焼く小さなお店でも、色々なパンを焼いているところが多いのですが、イラン独自の、イランでしか見たことがないパンがありますか?


●ラジオより


福本: イランのパン、ペルシャ語ではナーンと言いますが、このナーン、本当に多種多様で、これはもうひとつの文化を形成していると言えるのではないでしょうか。


山口: そうですね。方や、パンというものは日本には本来なかった食物だそうで、襦袢や金平糖などのように、ポルトガルから伝来したと聞いています。インドやパキスタンなどでもチャパティーと呼ばれる薄手のパンが有名ですが、イランでは独自のパンが何種類もありまして面白いですよね。クレープのような形状で ラヴァーシュと呼ばれる薄くて折りたたみできるパンをはじめ、大きな円形で、やはり薄手のタフトゥーン、これは小さな穴がいくつも開いています。そして小さな焼け石の上で焼くというサンギャッキ、これはまさに石焼き芋ならぬ、石焼きパンでしょうか。ほかにも、渦巻き状で厚手のシールマール、さらに幅が15センチ、長さが70センチぐらいで少々ふっくらとしたバルバリー、そしてガンディーと呼ばれる甘味のあるパンもあります。そして最近では、日本のパン屋さんに見られる菓子パンと似たようなナーネ・ファンタジーも登場してきています。こうして見てきますと、まさにイランのパンの文化として、1本の番組が作れそうですね。 


福本: 本当にイランのパン、奥深いですね。山口さんがお気に入りのパン、ナーンは何ですか?


山口: 私はやはり、バルバリーやシールマールなど、ふっくらしたパンが好きです。出来立てのほかほかのパンに、バターと蜂蜜を塗って、紅茶や牛乳と一緒にいただくのは、最高の朝食の1つではないでしょうか。 


福本: パンの香ばしい香りを思い出してお腹が鳴ってしまいそうです。


さて、今日はイランの新年6日目にあたるわけですが、イランのお正月の期間は、例年一月・ファルヴァルディーン月13日の「自然の日をもって終わりを告げます。もっとも官公庁などは既に通常業務に戻っていますが、子どもたちのお正月休みはこのファルヴァルディーン月13日まで、西暦では41日まであと一週間続きますね。


山口: えぇ、でも今年はその最後の自然の日とイランの休日の金曜日が重なって、一日お休みを損しちゃったなんていう声も聞きましたね。


福本: 子どもたちにはお気の毒でした。


山口: 日本の皆さまにとっては、ちょうど年度末ということで、忙しくお過ごしの方もいらっしゃるかもしれません。どうぞお体に気をつけてお過ごし下さい。