金曜広場 2018年 7月27日 【山口・中村】
金曜広場 2018年 7月27日 【山口・中村】
(山口)さて中村さん、日本では最近まで、関東地方では6月末の梅雨明けという、観測史上最も早い梅雨明けが宣言された一方で、西日本を中心に大雨による土砂災害が相次ぐなど、異常気象ともいえる現象が続いていましたよね。また、ちょうどワールドカップが開幕したころに関西地方で、そしてついこの間は千葉県の東方沖を震源とする強い地震が発生するなど、自然災害が頻発しているようです。専門家の間では、今後30年以内に関東地方を震源とするM8級の大地震、そして東海地震や南海トラフ地震の発生が予測されているようですが、最近の異常気象は、さらに大きな自然災害のいわば前触れのようなものとでもいえるでしょうか?
(中村)どうなんでしょうか。地震と大雨が関係しているとも思えませんが、こう災害が続くと心配してしまいますよね。それに今年はイラン全土で水不足になっていて、場所によっては断水と、水不足による電力不足で停電が相次いでいるようです。今が一番暑い時期ですから、こういうときの停電は体にこたえますよね。水が足りないだけでなく、灌漑のしすぎで地下水に塩水が混ざっているところもあるそうです。どうにかならないんでしょうか。テヘランもいつそうなってしまうかと、心配です。
(山口)イランも地震国ですし、ほかにも洪水や砂塵など、自然災害が多発しています。また、国際ニュースを聞いていますと、常に世界のどこかで山火事や地震、ハリケーンなど自然災害が耐えないですよね。ちなみに、我が家では最近、本棚や食器棚をすべて壁にボルトで留めるという処置をしました。後は、階段などの通路に植木鉢などを置いていたのをやめて、スムーズに通れるようにしました、少々先のことになりますが、日本では防災の日がやってきます。ですが、災害はいつでもありえるということを念頭に置いた上で、常日頃から対策をたてておきたいものです。
●リスナーより
「いよいよフェトル、断食の祝祭が行われラマザーン月が終わるのですね。このラマザーン月を通して、イスラム教徒、そしてイランの皆さんが神へと近づくことができたものと思います。暑いさなかのラマザーン、本当にお疲れ様でした」
●ラジオより
(山口)K・Oさん、いつもお便りありがとうございます。ここ数年は特に、イランをはじめとする北半球のイスラム教徒にとっては、ラマザーンが夏至をはさんで日照時間のもっとも長い時期に回ってきますよね。もちろん、実際には、自分のそのときの体調や健康状態なども考えて、最終的に断食をするかどうかを自分で決めることになります。でも、そうした厳しい条件の中で断食を全うするには、よほど強い意志がなければいけないと思いますが、いかがでしょう?
(中村)大変としか言いようがありません。
(山口)確かに、断食は大切なことなのですが、実は、それはあくまでも手段であって、最終的にはこのリスナーさんも気づいてくださったように、断食を通して神に近づくことが大事なわけですよね。
●リスナーより
「日本語放送担当の皆さん、こんにちは。特別な月ラマザーンに入ったので、じっくりと放送を聴いてみました。断食の本来の意味や考え方など、勉強になりました。お話の中にもありましたが、食生活も含めて自分を見直す機会ととらえることは、すべての人ができることです。またお聞かせください」
「イスラムの国々では、断食が始まりました。日本人にとってはとんでもない習慣だと思ったのですが、今となってはとても合理的な生活習慣だと理解できるまでになりました。これも、IRIBを聴取することでわかったことです」
「今年もラマザーン月が来ました。精神の見直しにはよさそうです。宗教は違えど何か考えてみましょう」
●ラジオより
(山口)H・Hさん、K・Nさん、T・Uさんすばらしいコメントをありがとうございます。ラジオ日本語をお聞きいただいて、ラマザーン月や断食の本来の目的やその素晴らしさをご理解いただけたことは、ラジオ側としてもとても嬉しいことですよね。
(中村)そうですね。イランと日本の相互理解につながるといいですよね。
(山口)とにかく、断食イコール単なる苦行ではなくで、その先に通常の考え方や物質的な捉え方を超えた素晴らしい醍醐味がある、ということを1人でも多くの方々に、番組を通してご理解いただければ幸いです。是非ラマザーン月が、実生活でつい忘れられがちだけれども、精神的に大切なものに注目するための一助となりますことを願っております。
●リスナーより
「イランの家庭では、朝顔を育てたりしますか。教えてください」とのことです。
●ラジオより
(山口)F・Yさん、お便りありがとうございます。朝顔といえば、確か今月の6日から8日には東京で入谷の朝顔市が、そして9日と10日には浅草・浅草寺でほおずき市が開催されていたと思います。いずれの植物も、時代を超えて愛される、情緒あふれる江戸の花とされているそうです。イランの文化、そしてイラン人の意識では朝顔はどのように捉えられていると思いますか?
(中村)ふつうの夏の花ですかね。アサガオもヒルガオも一緒にされているような気がします。特に交配して新しい品種を楽しむとかはないようですね。
(山口)日本ですと、朝顔は小学校に上がって初めて植える植物、というイメージが強いのではないでしょうか。俳句の世界では、朝顔は秋の季語にもなっていたと思います。ちなみに、調べてみましたら朝顔は中国語では牽牛花と呼ばれていて、薬草としても使われることもあるということです。つるでどんどん増える朝顔には、色の種類も豊富ですよね。しかも、1粒の種からたくさん種もできますので、翌年以降のお楽しみもある植物といえるのではないでしょうか。
●北川アナウンサの音楽コーナー
●リスナーより
「イランには、冷やし中華のような食べ物はありますか?イスラム教徒向けに食材を厳選すれば、イランでも大人気と思います」
●ラジオより
(山口)A・Nさん、お便りありがとうございます。冷やし中華、懐かしいですね。あの風味のたれと独特の麵を日本から持ってくれば、後はこちらにある食材で、それこそイラン風の冷やし中華ができると思います。でも、麵もさることながら、やはりあの風味のたれは、イランにある食材で作るのは難しいでしょうか?
(中村)私は夏になるとよく、作るんですよ。麵はこちらで売っているイラン製のラーメンの麵を使いますし、たれも、お醤油と、酢と、ビーフのスープストックと砂糖で日本と同じ味になります。日本のごま油があれば本格的です。
(山口)イランでは、冷暖房が完備していますから、夏は外気が40度を越えていても、室内は快適ですよね。日本ですと、冷房器具をずっとつけていると燃料費が非常に高くなることから、冷房が少々弱い場合には、食事でカバーしようという日本人の生活の知恵なのかもしれませんね。
(中村)イランでも夏の暑い日に食べる冷たい食事がありますよね。ドゥーグと言われる塩気のあるヨーグルトドリンクにきゅうりとハーブをいれ、ちぎったパンを浸して食べるものです。イラン版冷やし汁ですね。