イランの豊かな文化と風俗習慣
あらゆる国民のフォークロア、あるいは人々の文化は各国の学問や国民の風俗習慣を含むものであり、学術的にも、社会的にもその国民自身、そして他の国の人々にとって貴重で重要なものとなっています。
各国の文化は、芸術、趣向を映し出す鏡であり、その民族の性質を知るための格好の手段です。それはたいてい他の国の文化と結びついていることから、世界のもとで一国民の誠意と友好のメッセージを伝えるものとなりえます。他国の文化や風俗習慣を知ることは、実際、各国の国民を互いに結びつけ、彼らの精神的な関係や友好的な結びつきを強めます。一方で、すべての国民の文化はその国の人々の状況や性質、慣習を説明するものであり、歴史や思想の変化、社会的発展を表すものとなっています。
イランの領土は、地理的に特別な地位、広さにより、様々な気候を有しており、各地の人々はそれぞれの方言と文化を持っています。各地の人々の風俗習慣を調べてみると、表面的には対立があるものの、その根源が一緒であることがわかります。すべてが一本の枝のように、一本の幹、一つの根から栄養を取り込んでいます。これ自体イラン人の民族的な統一の最も堅固な証拠であり、この地の人々の結びつきを確かなものにしている理由です。イラン人を多くの民族的な違いにもかかわらず、団結や統一に向かわせている主な理由の一つに、イスラムの価値観と文化があります。なぜなら、イスラムはその制度の中で、団結や統一を恩恵としてもたらし、民族と人種間の間で友好的な結びつきを確立し、あらゆる民族や人種の差別に反対しているからです。いずれにせよイラン人の生活にはイスラムの慣習と価値観が織り交ぜられ、冠婚葬祭、旅、訪問、会話などあらゆる場所においてこうした明らかな影響が見られます。
この番組では、イランの多様で豊かな大衆文化や口承文学をご紹介し、イラン各地の格言や諺、伝承などをご紹介いたします。例えば、イラン北部のギーラーンやマーザンダラーン、アルボルズ山脈の山麓地帯には、ガーレシュという部族が暮らしています。彼らは牛や水牛を飼育することで、伝統的な方法で生計を立てています。ガーレシュ族の歌は彼らと自然の間の感情的、経済的関係について歌っています。さらに、マーザンダラーンでは、鬱蒼とした森林、天に聳える樹木、流れる小川、豊かな水をたたえる河川により、これらの人々の文化の中には様々な種類の影響が見られます。この地域の諺に、水と関係するものがあり、これはマーザンダラーンが豊かな緑と水をたたえる土地であることを表しています。
「私たちの乾いた小川に水がもたらされる」
これは、次に順番が来ることを意味しています。
また、この地域には水と関連する他の諺もあります。
「水を飲むなら、源泉から飲め」
これは非常に努力せよ、ということを意味します。