2月 16, 2020 14:56 Asia/Tokyo
  • ナジモッディーン・クブラーの墓
    ナジモッディーン・クブラーの墓

今回も前回に引き続き、12世紀の神秘主義思想家ナジモッディーン・クブラーについてお話しすることにしましょう。

イランの著名なハディース学者で詩人でもあるナジモッディーン・クブラーは神秘主義教団のクブラウィーヤ教団の創始者でもありました。

ナジモッディーン・クブラーは1145年ごろ、現在のウズベキスタンで、当時はホラーサーン地方に属していたヒヴァに生まれました。彼は初等教育を故郷のヒヴァで学び、学問の習得のために、旅をしました。学者の名声を聞けばどこにでも赴き、その近くにいることを活用しました。このため、クブラーは神秘主義者であるだけでなく、レベルの高いコーラン解釈者で、ハディース学者で、天文学者、言語学者、哲学者、人類学者とみなされていました。

クブラーは1179年ごろ、師にあたる人物の指示により、ヒヴァに戻り、真理と英知を求めることを決意しました。彼は1221年、78歳でモンゴル軍の襲撃に対峙し、勇敢に殉教しました。

ナジモッディーン・クブラーの廟

クブラーと彼の弟子は、歴史資料や自身の著作によれば、全員学者であり、その貴重な作品は後の世に引き継ぐために、そして学問を求める人々のために記されました。

クブラー以外にも、著名な神秘主義文学者のアッタール・ネイシャーブーリーなど、彼の弟子で意志のある人々も、著述家として本を記しています。これに関して、クブラウィーヤ教団は、作品の記録という点でも、イラン・イスラム文化に対する貢献においても、シーア派の崇高な思想を広める上でも、もっとも豊かな神秘主義教団のひとつだとみなされています。

クブラーはイスラム学を教え、弟子を育てるとともに、本を書くことも重視していました。一部の著作は、弟子たちの要請によって記し、また一部は彼が個人的な形で書いたものでした。幸いにも、一部の著作は世界各国の図書館に納められており、また一部は、本の名前だけが残っています。現代イランの学者、トウフィーグ・ソブハーニー博士はクブラーの手稿に基づき、32作品をクブラーの著作だとしています。クブラーの一部の作品はペルシャ語で記され、ほか一部はアラビア語で記されています。

ナジモッディーンは様々な内容を扱った本を記しており、それらすべては神秘主義的な本ではありません。彼は12巻にわたるコーランの解釈に関する大作も記したといわれています。この解釈書は後に、彼の弟子2人によって完成したということです。

クブラーは神秘主義思想に関する多くの著作を記しました。それらの中で重要なのは、神秘主義者の内面のあり方についての書であり、弟子は終始、完璧な師匠の監視により、その過程を経るのです。

クブラーの神秘主義者の内面のあり方についての書

この著作は弟子たちへの教育という点で、大変重要な作品です。クブラーの神秘主義を正確に知りたいという人にとって、この本は大変有益です。実際、この書を読むことがなければ、その知識は中途半端なものとなります。

この書の重要な特性は、クブラーの個人的な、内面の体験が記されていることです。また、隠遁生活とその影響についても記されており、隠遁生活の現実的な指示の多くが書かれています。この本を読むことは、クブラーウィーヤ教団の教えについて知るだけでなく、彼の弟子の生活などについて、直接的、間接的に知る助けにもなります。

実際のところ、多くの神秘主義思想家は、この書物におけるクブラーの魅力や隠遁生活の哲学をまとめており、クブラーはいくつかの著作で記されているように、隠遁生活に関する書を記しており、これはトルコで収集された手稿が存在します。これはクブラーの有名な作品のひとつとみなされていました。

そのほか、隠遁生活や、その人間として完成するための条件について記した著作があります。この様な書はクブラーウィーヤ教団で大いに活用され、これに似たような書がクブラーウィーヤ教団の指導者や神秘主義者によって記されました。この書は実際、完成を遂げたいとする弟子に、その振る舞いや、心を清める方法、悪魔や欲望のわなから逃れる方法について教えており、彼らに対して、人々ではなく、ただ神に注意を向け、人々に妥協することのないよう示唆しています。

クブラーのほかの作品に、10の条件に関する書として知られる作品があります。この作品は、以前にアラビア語で書かれた作品の要約であり、アラビア語を知らない人の要請により、ペルシャ語で記されました。

そのほかのクブラーの著作には、弟子の必要性を一つ一つ数え上げ、そのすべてを適切な形で記している作品があります。この書は、悔悟や禁欲、満足、崇高な神に対する注意やその名を唱えること、忍耐などについて記されています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://www.youtube.com

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

 https://soundcloud.com/user-614960283