イラン料理 ; ゴレスターン州の胡桃入り菓子「ハルヴァーイェ・ゲルドゥーイー」
イラン北東部ゴレスターン州の高地には、氷河期も乗り越えたヒルカニア森林が高くそびえているだけでなく、クルミなどの木々も生い繁っています。
クルミは、人類の食糧となってからすでに数千年が経過しています。クルミには、他の食物に比べてオメガ3脂肪酸や抗酸化成分が多く含まれています。また、脳の働きの改善や心臓病や癌の予防も、クルミの持つ効果として挙げられます。クルミはイランの人々、特にイラン北部の人々にとっては、特別な位置づけを持つ食材となっています。
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ハルヴァーイェ・ゲルドゥーイー(胡桃のハルヴァー)
イランには、慶弔問わず様々な行事にあたって、ハルヴァーという菓子を作る習慣があります。非常に美味しく人気の高い菓子であるハルヴァーには、様々な種類があります。なかでも、ゴレスターン州、特にコルドクーイで頻繁に作られる一種には、ハルヴァーイェ・ゲルドゥーイーという名の、クルミ入りハルヴァーがあります。現地の言葉で「ジョウゼ・ヘルワー」とも呼ばれるこの菓子は、とても好まれているものの、作るのには時間と忍耐が必要とされます。しかしそうしてできあがった菓子は、この上なく美味しいものです。
皆様にとって、イラン北部の菓子の多くに米が材料として用いられていることは、興味深いことだと思います。ハルヴァーイェ・ゲルドゥーイーにも、クルミに加えて米が使われています。では、この北の菓子がどのように作られるのかを一緒に見ていきましょう。
材料6人分:
- 米 1カップ
- 砂糖 1カップ
- クルミ(粉状) 1カップ
- 油 スプーン3杯
- 水 6カップ
作り方:
- 米を3~4時間水に浸す
- 米を水からあげ、粗い粒状に擦る
- 銅製の鍋かテフロン加工の鍋に油を注ぎ、上記の米を加え、弱火で5分ほど炒める
- 粉状にしたクルミを加える
- 砂糖と水を加えながら10分ほど炒め、十分に混ぜる
- 火を強くして、その後中火にする。それぞれの強さで10分ずつよく掻き混ぜる
- 濃い茶色になるまで3~4時間熱する
- 色がさらに濃くなり黒く見えるまで、掻き混ぜ続ける。ここががんばりどころ
- 色が黒くなり、手や鍋にくっつかなくなったら火を止める。薄く油を引いたバットや金属盆の上に鍋の中身を空けて平たく伸ばし、完全に冷めるまで置いておく
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このハルヴァーを作るには、時間をたっぷりかけ根気よく取り組まなくてはなりません。そのため通常は、調理の際に何人かが集まり、お互いに助けあいながら作業を進めていきます。
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